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「この世界の片隅に」片渕須直が明かす、のんは「自覚を持っている役者」

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片渕須直

片渕須直

本日11月3日、新千歳空港国際アニメーション映画祭2016のオープニング作品「この世界の片隅に」が北海道・ソラシネマちとせで上映され、舞台挨拶に監督の片渕須直が登壇した。

こうの史代のマンガをもとにした本作。戦時中の広島・呉市を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いてたくましく生きる女性・すずの姿が描かれる。のん、細谷佳正、稲葉菜月、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世らが声の出演に名を連ねる。

片渕は登壇するやいなや「今まで自分が作った映画を観て涙が出てきてしまったことはなかったんですけど、この映画だけはどうもいけない感じがします。いろんなことがよみがえってきます」とコメント。そして本作を作るにあたっては、すずを実在しているかのように描くことを大切にしたといい、「原作に登場するすずさんが、すごくかわいらしくて、いとおしいんです。そういう人の上に爆弾が落ちてきて、大変なことになるのがいたたまれなくて」と思い入れたっぷりに語った。

のんをすず役に起用した理由をMCに聞かれると、片渕は「すごくファンだったんですけど……。それとはまったく関係なく(笑)」と前置きして観客を笑わせ、「すずさんは楽天的でユーモラスな人。のんちゃんも何があってもニコニコ笑っているんです。彼女はまだ若いのに自分はコメディをやっていくんだという自覚をきちんと持っている役者で。どうやったら皆さんに笑ってもらえるかを考えながら芝居している人だから、すずさんに合うなって」と明かした。

最後に片渕は「1944年の呉にすずさんがいるんだと思っていただければ。ちょっと時間と場所がずれているだけで『この世界の片隅に』の“この世界”は、僕たちがいる世界と同じなんだと感じていただければと思います」と観客にメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

「この世界の片隅に」は、11月12日より全国でロードショー。

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

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