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本田翼&山本美月が共演、女子高生の死生観描く湊かなえの「少女」映画化

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「少女」より、左から本田翼、山本美月。

「少女」より、左から本田翼、山本美月。

「告白」の原作者・湊かなえのベストセラー「少女」の映画化が決定。同作に本田翼と山本美月が出演することがわかった。

2009年に「告白」が第6回本屋大賞を受賞し、「読んだあとイヤな気持ちになるミステリー」を指す「イヤミス」というジャンルを世に広めた湊。彼女がその次に発表した「少女」は、心に闇を抱える2人の女子高生が「人が死ぬ瞬間を見たい」という願望を胸に過ごすそれぞれの夏休みを描く作品だ。

本田が演じるのは、何を考えているのかつかめないところがある少女・由紀。あるとき痴呆症の祖母によって一生消えない傷を負わされ、憎悪と嫌悪感を抱いている高校2年生だ。そして山本が演じるのは由紀の親友であり天真爛漫な少女・敦子。少し空気が読めないところがあるせいでいじめられた経験があり、過度の不安症から人の悪意に触れると過呼吸になってしまうという役どころだ。由紀は「親友の死体を見たことがある」と話す転校生へのジェラシーから、より強く“死”の瞬間を体験するため小児科病棟で、敦子は「人が死ぬ瞬間を見れば、生きる勇気を持てるのでは」という期待から老人ホームで、ボランティアを開始。それぞれの視点で語られるストーリーが、終盤に向け次第につながっていく。

本田は「これまで私が演じてきた役は、明るいキャラクターが多かったので、由紀のような役柄は少し不安だったのですが、『チャンスだ!』と思いました」とコメント。また自身の役について「感情の起伏が大きい子だと台本を読んで感じました」と話す山本は、「これまで明るいキャラクターを演じさせていただくことが多かったので、色々な感情を表現することに凄くプレッシャーを感じていました」と心境を明かしている。

本作の監督を務めるのは、「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」「繕い裁つ人」の三島有紀子。これまでの作風とは異なり重く暗いテーマに挑んだ三島は、「本田翼さん、山本美月さんという、今とても輝いている、未来有る女優のお二人の今を映像に残したいという欲求がありました。この作品では、彼女たちがこれまでに開けたことのない扉をどれだけ開けてあげられるのか…ということが使命だと思っています」と語った。

「少女」は2016年秋に公開。

湊かなえ コメント

現場に伺った際、クライマックスのシーン撮影を拝見しました。そこからどんどん妄想が膨らんでいって、映画の完成がとても楽しみになりました。本田翼さんの演じた「由紀」というキャラクターは、誰よりも強くて、誰よりも弱い…無理をして強さを押し出している女の子です。最初に本田さんが演じると聞いた時から、「ぴったり!」だと思っていました。
山本美月さん演じる「敦子」は、「由紀」とは反対に本当は強いけれど、一見ふわふわした感じで…弱さの中に自分を隠している子。山本さんのイメージとも相まって、敦子に合っているなと感じました。「少女」を再読すると、お2人のイメージをあてはめながら読んでしまう程です。

本田翼 コメント

映画出演のお話をいただいてから原作を読んだのですが、凄く面白くて…! これまで私が演じてきた役は、明るいキャラクターが多かったので、由紀の様な役柄は正直少し不安だったのですが、「チャンスだ!」と思いました。湊先生が現場にいらした時に、「由紀にぴったり」と言ってくださって、凄く嬉しかったです。
山本美月さんとは4度目の共演。元からサバサバしている性格だということは知っていましたが、今回一緒に演じてみて、凄く研究熱心で本当に人を良く見ているなと思いました。一つの事に対する集中力が凄いんです。
三島監督は、エネルギー溢れる監督でした。撮影中は毎日、監督から“挑戦状”を貰っている感覚(笑)。結構難しい“挑戦状”を受け取ることもあって、監督のおっしゃっていることを上手く飲み込めない時は、とても苦しくて「どうしたら監督と同じ方向を向けるんだろう」と悩ましく思っていました。1ヵ月弱の撮影期間でしたが、毎日が物凄く濃厚で…「あれ、これって今日の出来事だっけ…!?」と分からなくなる程でした。

山本美月 コメント

私が演じさせていただいた敦子は、感情の起伏が大きい子だと台本を読んで感じました。これまで明るいキャラクターを演じさせていただくことが多かったので、色々な感情を表現することに、凄くプレッシャーを感じていました。
個人的に、ミステリー作品が大好きなのですが、この「少女」という作品は、ミステリー要素の中に、人間味を強く感じる作品。楽しみながら演じることが出来ました。
本田さんとは何度か共演させていただいているのですが、ここまでしっかりと一緒に演じるのは初めてでした。いい意味で「マイペース」というお話を聞いていたので、どんな感じなのかな?と思っていました(笑)が、現場では色々な話をしたり、待ち時間にゲームをしたりして楽しく過ごせました。
三島監督はたまに、催眠術のように演出を付けてくれるんです(笑)。監督から「だんだん(敦子は)こう思ってくる…」と耳元でささやかれると、なぜか本当にそう思えてくるんです。その影響か、撮影期間中に勉強の為にほかの作品を見ることがあったのですが、敦子寄りのキャラクターに感情を入れ込んでしまって…。心が無防備というか、傷つきやすい状態になることもしばしばありました。

三島有紀子 コメント

湊かなえさんの描く“毒”が大好物です。それに女子の17歳を描きたいというのが始まりです。17歳というのは、非常に自分勝手な時期で、どこにぶつけて良いのか分からないエネルギーに溢れ、それでいて“死”と背中合わせで、当人達からしたら、世間で言われる“キラキラと輝いている時期”ではけっしてなく、大きな閉塞感の中で生きていると思います。原作には、自分勝手さと閉塞感がしっかりと描かれていて、登場人物のキャラクターも個性的で、何より全体を通しての疾走感がありました。その三つを私なりに解釈して作品作りを目指しました。
本田翼さん、山本美月さんという、今とても輝いている、未来有る女優のお二人の今を映像に残したいという欲求がありました。この作品では、彼女たちがこれまで開けたことのない扉をどれだけ開けてあげられるのか…ということが使命だと思っています。
本田さんは、これまで明るいキャラクターを演じられることが多かったようですが、じっくりみるとどこか「怒りの感情」を秘めた表情を感じられることがありました。そこをしっかり前面に押し出すことで、本人が映像をみて「怖い!」と言ってしまうくらい、三白眼ベースの知的で繊細な“由紀”が出来上がったと思います。
山本さんは、とても気を遣う、細かいところまで周囲を見ている方。であって、根の部分は明るくて男前なので、素で“敦子”を演じられるのではないかと思っていました。作品では、人間の脆さを表現しながら、かっこいい敦子が出来上がりました。
お二人に、丁寧に演じてもらうことを一番に心がけました。

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