昨年9月下旬、
この日撮影が行われたのは、太秦・東映京都内に再現された料亭「葵屋」。2週間で建てられたというこの2階建てのセットは、庭の木々に至るまでが精密に作り込まれている。この一室で伊勢谷と田中はワイヤーアクションも交え、激しい戦闘シーンを長時間にわたって演じていく。
2011年公開の映画「あしたのジョー」で力石徹役を演じて以降、あまり身体を鍛えていなかったという伊勢谷は、今作の撮影を「とにかく過酷」と語る。取材に応じる手には氷が握られており、脚の筋肉を冷やしながら「谷垣(健治)さん率いるアクションチームが目指すものがとても高いところにあるので、気力、精神力を含めて追いつくのに精一杯」と悔しさを露にした。
また蒼紫というキャラクターについて、まだ自分の中で消化しきれていないといい、「マンガの中では戦っても何してもずっとこんなまま(仏頂面)なので、迫力に欠けるというか、自分の気持ちが乗っからない気がして。もしかしたら(自分の演技は)普段の蒼紫より少し熱いところがあるかもしれない」と、自身の役作りを分析してみせる。
対してダンサーとして活躍する田中は、踊りとアクションとの違いについて「踊りには戦うということがなく、唯一の敵は自分。(アクションは)自分の動きに相手の動きを受け入れたり反発したり、そうしたことがとても新鮮でしょうがない」とコメント。「全然うまくいかないですけど、うまくいかなかったり、キツかったり、さまざまな感情が起こること全部がおもしろいんです」とやりがいを語った。伊勢谷はそんな田中について「泯さんがすごいのは絶対に諦めないところ。キツい現場なのに、僕がメディカルトレーナーにマッサージを受けている横で自分で運転して帰ったり。こうしてご一緒できることが光栄です」と尊敬の眼差しを向ける。田中も伊勢谷の印象を「とっても素敵な人ですよ」と語り、互いにリスペクトを表明した。
そして大友啓史監督は「2人の戦いを早く見せたい。面白いですよ」と自信たっぷり。キャスティングについては「演技をする以前に身体の存在感があることが、この映画にとってすごく大事」と説明し、「泯さんは史上最強の68歳。そして伊勢谷さんはもう数年で40歳。そういうキャストが肉体を使ってアクションをやることで、原作のマンガというフィクションを凌駕していくところを見たい」と意気込みを見せた。
映画「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」は、2部作で今夏ロードショー。「京都大火編」は8月1日に、「伝説の最期編」は9月13日にそれぞれ公開される。
■映画「るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編」超特報
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