加藤和樹、高田夏帆との「裸足で散歩」に「パートナーとして支えられるように」と意気込み

9月から11月にかけて全国各地で上演される「裸足で散歩」の稽古場会見が、去る8月24日に東京都内で行われた。

「裸足で散歩」はニール・サイモン脚本によるハートフルコメディ。劇中では、アメリカ・ニューヨークの古いアパートの最上階に越してきた新婚のポールとコリーを中心に、アパートの不思議な住人たちとの交流が描かれる。2022年には、翻訳を福田響志、演出を元吉庸泰が担い、ポール役を加藤和樹、妻・コリー役を高田夏帆が務めた上演版が実施され、今回はその再演となる。出演者には、加藤、高田、松尾貴史、戸田恵子の2022年版キャストに加え、新キャストとなる福本伸一が名を連ねた。

本読み稽古の公開のあとに行われた会見では、加藤は「僕が演じるポールはバカがつくほど真面目で、とにかくコリーのことを愛しているキャラクターです。少し融通がきかないところもあり、それが原因でコリーとぶつかってしまうこともありますが、曲がったことができない役どころなので、彼のように真っ直ぐ役に向き合っていきたい」と意気込みを述べつつ、「 （ニール・）サイモンの脚本と（福田）響志くんの翻訳は読むだけでもとても面白いです。これにさらに元吉さんが演出をつけてくださることで、動きで笑える部分もあるのでもっとブラッシュアップしていかなければいけないなと今日本読みをして感じました。特にコリーは細かい動きや言葉など覚えなければいけないので、パートナーとして支えられるようにがんばります」と話した。

2022年公演が初舞台だった高田は「初舞台として経験したこの作品が、再演となり同じ役を演じさせていただく。こんなにうれしいことはないので期待を裏切らないように、自分を超えられるように精一杯演じさせていただきたいと思います」とコメント。電話会社の男役の福本は「僕は唯一再演からの参加ということでかなりのプレッシャーがありまして、稽古に入る前に体に入れておこうと、この1カ月頑張ってまいりました（笑）」、屋根裏部屋に住むヴィクター・ヴェラスコ役の松尾は「初演時は役作りも全くない状態で演じておりましたので、今回は何を考えているか分からないというエキセントリックだったり、ストレンジだったり、少しミステリアスだったりという部分を、前回の3割増しで共演者も警戒するくらいのつもりで演じていきたい」とそれぞれ語る。

コリーの母・バンクス夫人役の戸田は、初めて出演したストレートプレイが「裸足で散歩」で、当時コリー役を務めたことを明かし「ずっとミュージカルをやる劇団にいたので、必ず歌とダンスがあったのですが、初めてのストレートプレイでこんなにたくさんのセリフを喋るお芝居に抜擢していただいて、とにかくイヤだったなぁ……と（笑）。そんな中で夏帆ちゃんが2年前の初演のときに、初舞台で健気に毎日頑張っていて、偉いなぁと思っていました。自分もトライしたコリーという役ですが当時のことはすっかり忘れていて、夏帆ちゃんが色々聞いてくれるのに何1つ答えられなくて（笑）。真っ直ぐな気持ちで稽古されていたのを横で見て、母も頑張らねば！と思いました。2年という年月を経て、より可愛く演じたいなと思います（笑）」と思いを述べた。

元吉は「初演の手応えは、翻訳を福田響志くんというとても若い方に担当していただいたことで、ニール・サイモンの戯曲の現代に蘇らせることができたのでは」「再演の今回は台本はさらにブラッシュアップさえているので、これからお稽古をしていくのが楽しみ」と語り、「2年経って思うことや狙うこととしては、とても生きづらい世情になっている今の世の中で、やはりニール・サイモンの戯曲はとても普遍的です。今の時代にいろんなことに突っかかっている人たちのヒントになるなにかを引き出せていけたら」と話した。