怒髪天とフラカン、“ドハツの日”にグレートマエカワ大活躍&がっぷり四つの仲良し対バン

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結成40周年を迎えた怒髪天が、“ドハツの日”である10月20日に東京・渋谷CLUB QUATTROでライブイベント「ジャンピング乾杯ツアー2024特別編 ~Gの一番長い日~」を開催。フラワーカンパニーズとがっぷり四つのコラボレーションを2時間以上にわたって展開した。

怒髪天とフラワーカンパニーズ。(撮影:新保勇樹)

怒髪天とフラワーカンパニーズ。(撮影:新保勇樹)

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定番無視の“ドハツの日”

今年2月より増子直純(Vo)、上原子友康(G)、坂詰克彦(Dr)の3人体制になり、3月にスタートしたロングツアー「ザ・リローデッド TOUR 2024」の真っ最中の怒髪天。例年の“ドハツの日”は地方での単独公演として行われることが多かったが、今年は盟友を迎えてのコラボ形式で実施された。

この日の東京は最高気温が20℃を切る秋らしい涼しさだったものの、会場にはTシャツ姿の観客の姿も多く見られ、フロアは開演前から熱気と期待感が充満していた。そんな中で始まったのは、坂詰とフラワーカンパニーズのミスター小西(Dr)による前説トーク。開演直前にもかかわらず2人の口調はのんびりしたもので、坂詰の「なるべく期待に添えるようがんばります」という意気込みとしては控えめな言葉で前説は締められた。

怒髪天とフラワーカンパニーズ。(撮影:新保勇樹)

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鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)と増子直純(怒髪天)。(撮影:新保勇樹)

鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)と増子直純(怒髪天)。(撮影:新保勇樹)[拡大]

一般的に対バンやコラボライブは、ゲストが先陣を切り、後攻をホストバンドが務め、アンコールでセッションを展開するといった定石があるが、そんな定番の流れは怒髪天とフラカンには無用。「威風怒道~愛と栄光のテーマ~」が爆音で鳴り、野太いコールが轟く中でツインドラムと複数のアンプ、2本のマイクスタンドが立てられたステージに怒髪天とフラカンのメンバーがそろい踏み。いきなりフルメンバーで「独立!俺キングダム」「ジャカジャーン!ブンブン! ドンドコ!イェー!」をお見舞いするというフルスロットルぶりで、アンコールさながらの熱狂を場内に作り出した。ステージもフロアも大盛り上がり、ライブも大団円の様相を見せるが、開演からまだ10分も経過していない。すると増子が「フラカンよろしくー!」と颯爽とステージをあとにし、流れるようにフラカンのステージにつなげた。

ラッコTシャツ着た鈴木圭介、胸を叩き「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」

鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)(撮影:新保勇樹)

鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)(撮影:新保勇樹)[拡大]

フラワーカンパニーズ(撮影:新保勇樹)

フラワーカンパニーズ(撮影:新保勇樹)[拡大]

片や結成40周年の怒髪天と、片や結成35周年のフラカン。同じ時代をともに生き、自分たちのロックを泥臭く追求し続けている2バンドの相性はリスナー層を含めピッタリ。怒髪天の退場後もフロアから立ち上る熱気は冷めることなく、鈴木圭介(Vo)のどこか少年性を帯びた情熱的なボーカルや、グレートマエカワ(B)、竹安堅一(G)、ミスター小西の織りなすプリミティブなサウンドをオーディエンスは全身で受け止め、ステージとフロアの垣根を越えた一体感を作り出していく。「はぐれ者讃歌」で鈴木がマイクを客に向け、「歌え!」と繰り返すと大きなシンガロングが響きわたった。

グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ)(撮影:新保勇樹)

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鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)(撮影:新保勇樹)

鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)(撮影:新保勇樹)[拡大]

「ドハツの日に呼んでもらえてうれしい」と鈴木が破顔すれば、グレートマエカワも「うれしいね。(ドハツの日だから)何が起きるかわからんよ!」と含みを持たせるなどMCは和やかな雰囲気に。「今年で結成35周年、死ぬまでよろしく!」と改めて挨拶した鈴木だったがいきなり、Tシャツに描かれているラッコを猛烈にアピールし始めたかと思うと、「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」なる新曲を絶唱。自らにラッコを憑依させて胸を威勢よく叩き、「ラッコ」を連呼して観客の度肝を抜く。会場には一抹の戸惑いをにじませた奇妙な熱気が漂うが、それを払拭するようにフラカンは「猫のようには生きられない 犬のようにも生きられない」「人は人 愛し合え」と歌う「人は人」を熱演。さらに1999年のリリース以来長年愛され続けているライブアンセム「夜明け」を力強く奏でてオーディエンスの胸を打った。

フラカンが愛おしい怒髪天

増子直純(怒髪天)(撮影:新保勇樹)

増子直純(怒髪天)(撮影:新保勇樹)[拡大]

怒髪天(撮影:新保勇樹)

怒髪天(撮影:新保勇樹)[拡大]

その後、怒髪天が合流しての「俺節」のカオスなセッションでライブは後半戦に突入する。なお鈴木、竹安、小西が退場したあともグレートマエカワはそのままステージに残り、怒髪天をサポート。マエカワのトレードマークと言えば裸にオーバーオールだが、「ドハツの日なので裸というわけにはいかない」とこの日は黒シャツに白いパンツ姿。増子に「俺らに寄せてきた」とツッコミを入れられながらも、グルーヴィかつメロディアスなベースと、躍動感たっぷりの楽しげなステージングで怒髪天の楽曲に新たな彩りを加えていく。マエカワのプレイを受けて、増子、上原子、坂詰も伸び伸びとパフォーマンス。増子は「仲よくないバンドとはこんな面倒臭いことできない」と繰り返しつつ、「ホトトギス」「令和(狂)哀歌~れいわくれいじぃ~」と新旧の楽曲を感情をたぎらせながら歌い上げた。

上原子友康(怒髪天)(撮影:新保勇樹)

上原子友康(怒髪天)(撮影:新保勇樹)[拡大]

坂詰克彦(怒髪天)(撮影:新保勇樹)

坂詰克彦(怒髪天)(撮影:新保勇樹)[拡大]

怒髪天(撮影:新保勇樹)

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「フラカンは観るたびにどんどん好きになる。かわいい。愛おしくなる。曲いいし、放っておけない」と増子がフラカン愛を爆発させる一幕から始まったMC。その言葉にマエカワが「もう55ですよ!」と笑うと、増子は「でも、いくらなんでもラッコの曲作る? 作ってバンドで採用する? ラッコのTシャツ着て、『ラッコ! ラッコ!』って狂ってるよ!」と鈴木の常人離れしたクリエイティビティを独自の表現で絶賛した。そして「心から感謝を込めて。(怒髪天のライブが)いつでも帰れる場所になればいいと思って作った曲」という紹介から新曲「エリア1020」のお披露目へ。心に温かな灯をともすハートウォーミングな歌詞とエモーショナルなバンドサウンドが、演者と観客の心をつないだ。

鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)と増子直純(怒髪天)。(撮影:新保勇樹)

鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)と増子直純(怒髪天)。(撮影:新保勇樹)[拡大]

竹安堅一(フラワーカンパニーズ)と上原子友康(怒髪天)。(撮影:新保勇樹)

竹安堅一(フラワーカンパニーズ)と上原子友康(怒髪天)。(撮影:新保勇樹)[拡大]

怒髪天とフラワーカンパニーズ。(撮影:新保勇樹)

怒髪天とフラワーカンパニーズ。(撮影:新保勇樹)[拡大]

しみじみとした味わいの「孤独くらぶ」、中年のリアルを暑苦しく歌い上げる「ザ・リローデッド」を経て、増子の呼び込みで再びフラカンメンバーが勢ぞろい。7人は怒髪天の代表曲「オトナノススメ」を観客と大合唱し、増子の「“YOUNG MAN”は誰もいねえよ!」というツッコミを受けつつ「YOUNG MAN」を振り付きで歌い踊り、お祭り騒ぎに拍車をかける。さらに両バンドのスタンスを示すようにラストナンバーとして「歩きつづけるかぎり」を演奏。増子と鈴木は肩を組み、「未だ夢は覚めず 胸焦がしやがる 旅に終わりは無い 歩き続ける限り」と声を重ね、笑い合う。増子は最後に「最高! またやろう! まだまだ今年も生き延びて、来年のフラカンの武道館を応援しに行こう。生きてまた会おうぜ!」と叫び、2024年の“ドハツの日”に幕を下ろした。

なお、怒髪天がライブで披露した新曲「エリア1020」は10月30日に配信開始。これに先駆けてYouTubeではティザー映像が公開されている。また2025年のライブ情報も一挙に発表された。詳細はオフィシャルサイトで確認を。

怒髪天「エリア1020」Teaser

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セットリスト

「ドハツの日(10・20)特別公演ジャンピング乾杯ツアー2024特別編 ~Gの一番長い日~」2024年10月20日 渋谷CLUB QUATTRO

SE. 威風怒道~愛と栄光のテーマ~
01. 独立!俺キングダム
02. ジャカジャーン!ブンブン! ドンドコ!イェー!
03. 発熱の男
04. マイ・スウィート・ソウル
05. 雲の形
06. はぐれ者讃歌
07. ラッコ!ラッコ!ラッコ!
08. 人は人
09. 夜明け
10. 俺節
11. 己 DANCE
12. ホトトギス
13. 令和(狂)哀歌~れいわくれいじぃ~
14. HONKAI
15. SADAMETIC 20/20
16. エリア1020
17. 孤独くらぶ
18. ザ・リローデッド
19. オトナノススメ
20. YOUNG MAN(西城秀樹カバー)
21. 歩きつづけるかぎり

公演情報

第一種接近SO-GOOD!TOUR “season如月”

2025年2月6日(木)東京都 新代田FEVER
2025年2月9日(日)大阪府 FANDANGO
2025年2月11日(火・祝)福岡県 LIVE HOUSE CB
2025年2月13日(木)愛知県 HUCK FINN

怒髪天 presents 湯ナイテッド・アワーヅ 2025 “回春の湯”

2025年4月12日(土)石川県 粟津演舞場
2025年4月13日(日)石川県 粟津演舞場

エリア1020 TOUR

2025年5月14日(水)東京都 Top Beat Club
2025年5月29日(木)和歌山県 和歌山CLUB GATE
2025年5月31日(土)福岡県 小倉FUSE
2025年6月1日(日)熊本県 NAVARO
2025年6月3日(火)兵庫県 神戸VARIT.
2025年6月14日(土)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
2025年6月15日(日)宮城県 石巻BLUE RESISTANCE
2025年6月21日(土)長野県 ALECX
2025年6月26日(木)京都府 KYOTO MUSE
2025年6月28日(土)広島県 広島セカンド・クラッチ
2025年6月29日(日)岡山県 PEPPERLAND
2025年7月5日(土)石川県 vanvanV4
2025年7月6日(日)岐阜県 yanagase ants
2025年7月12日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
2025年10月29日(水)千葉県 千葉LOOK
2025年11月1日(土)香川県 DIME
2025年11月3日(月・祝)福岡県 LIVE HOUSE CB
2025年11月5日(水)三重県 club chaos
2025年11月8日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2025年11月9日(日)群馬県 Club JAMMERS
2025年11月23日(日・祝)宮城県 Rensa

読者の反応

新保勇樹 @shimboyuki

40枚って(笑)
送った写真が良くて選び切れなかったんだなと勝手に解釈しました📸
嬉しいな。

まっすぐなロックバンドにはまっすぐカメラを向けるだけでいい、斜めに傾けて自分でフレームに収めようとかしなくていい、まっすぐ向き合う、そうがっぷり四つよ、ロックバンドのいい写真て基本まっすぐよ。 https://t.co/uOUW7npOJH

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