2010年4月に
“志磨遼平万博”というテーマが掲げられた本公演には、これまで毛皮のマリーズやドレスコーズに関わってきたアーティストたちが多数集結。越川和磨(G)、有島コレスケ(B, G)、菅大智(Dr)、中村圭作(Key)をホストメンバーに迎え、さまざまな編成で演奏が繰り広げられた。
まず冒頭はホストメンバーに福島健一(Sax)、菅野淳史(Tp)、牛尾健太(G /
「コミック・ジェネレイション」が終わると、今度は
竹中が舞台を去ると、セッティング変更のため一旦ステージの幕が下ろされた。この転換中に志磨はステージ端に設置された演台へと移動し、本公演のために用意した詩を朗読。「僕はいつも心に余裕がなかった。きっと心が小さいのだと思う。僕の小さいハートは些細なことでいっぱいになり、あふれ、空っぽになる。ただ足早に通り過ぎるしかないのだった」「このまま立ち止まらず、すべてよ通り過ぎて行け! 誰にも渡さぬこのハートは、ずっと、ずっと震えているまま。This Heart of Mine」とこれまでの活動、そしてこれからの活動に向けた思いを、自身の心に当てはめて表現した。
ステージの転換作業が終わり、再び幕が開くと、そこには
さらにバンド単位でのゲストとして、おとぎ話の面々も参加。「メロウゴールド」「クライベイビー」は牛尾の奏でるメロディアスなギターフレーズにより、メロウなムードを押し出したアレンジとなった。2016年開催のツアー「the dresscodes R.I.P. TOUR」の際もレパートリーに選ばれた「BABYDOLL」では、コロナウイルスの感染予防で発声できないことを受け、“ダーリンダーリン”コールは拍手や足踏みを催促する形に変更。観客たちはすぐに息の合ったレスポンスを行い、志磨たちの演奏を盛り上げた。
休憩を挟み、後半戦は有島、福島、菅野、山中治雄(B)、ビートさとし(Dr)、堀嵜ヒロキ(Per)からなる“dresscodes a.k.a. FUNK GANG”編成でスタート。ビートさとしと堀嵜による白熱のセッションから「規律 / 訓練」へとなだれ込み、フリーキーなファンクチューンへと変貌を遂げた「Automatic Punk」で一気にオーディエンスのテンションを高めた。一方でノスタルジックな雰囲気あふれる「ヒッピーズ」ではグルーヴィなサウンドが展開され、観客たちを心地よく踊らせた。
いよいよライブも終盤に差しかかり、志磨の衣装替えの合間にはホストメンバーがMCを担当。菅や有島が今日のライブの感想や志磨との出会いを振り返る中、越川は中野サンプラザの地下にあるスタジオで毛皮のマリーズの作品「Faust C.D.」を制作したことを話題に挙げ、「まさかそのスタジオの上のホールでライブができるとは思わなかった。うれしいです」としみじみと語った。その後越川の「俺の古くからの友達を呼びます。志磨遼平くーん!」という呼び込みで志磨を迎えたあとは「愛のテーマ」「ビューティフル」とライブでおなじみの楽曲を次々とプレイ。本編最後の「愛に気をつけてね」では志磨が「きらい!きらい!」と何度も叫んだり、四方八方に中指を突き立てたりと、破天荒なステージングでオーディエンスを煽ってみせた。
そしてアンコールでは、志磨1人がアコースティックギターの弾き語りで「ピーター・アイヴァース」を披露。彼がスポットライトを浴びながら演奏していると、舞台後方には大勢の設営スタッフが集まり、粛々と機材の撤収を始めた。大量に設置されていた楽器やアンプは楽曲後半にはすべて撤去され、ステージには志磨ただ1人が残される。そのまま「ピーター・アイヴァース」の演奏を終えると、志磨は静かにギターを置き、首に巻いたスカーフをほどきながら無言でステージを去った。
ドレスコーズ「志磨遼平『IDIOT TOUR 2020』-TOKYO IDIOT-」2021年3月31日 中野サンプラザホール セットリスト
01. バンドワゴン
02. ボニーとクライドは今夜も夢中
03. ゴッホ
04. コミック・ジェネレイション
05. みずいろ
06. REBEL SONG
07. LEMONADE(オリジナル:
08. メロウゴールド
09. クライベイビー
10. BABYDOLL
11. 規律 / 訓練
12. Automatic Punk
13. ヒッピーズ
14. 愛のテーマ
15. スーパー、スーパーサッド
16. ビューティフル
17. 愛に気をつけてね
<アンコール>
18. ピーター・アイヴァース
リンク
J.J.Oompa Loompa @uprp0101
【ライブレポート】中野サンプラザに“志磨万博”出現!志磨遼平の歴史を詰め込んだ「TOKYO IDIOT」(写真11枚) https://t.co/KiVzSLuVHX
2年しか経ってないのか