ある全寮制高校の1年間を追ったドキュメンタリー映画「聴く隣人のいるところ」が、6月6日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルと特報予告が解禁された。
本作の舞台は、島根県江津市の浅利富士中腹にある全寮制のキリスト教愛真高等学校。そこでは全校生徒34名が親元を離れ、仲間と寝食をともにしながら生活している。スマートフォンやインターネットのない環境で、生徒たちは学友や教師と対話を重ね、音楽とともに日々を過ごす。生活のルールである「決まり心得」も、生徒と教職員が顔を合わせる場「全体会」で話し合いながら改変されてきた。本作には、国内外から集まった生徒たちと教職員の共同生活の1年が記録されている。特報予告はYouTubeで公開中だ。
監督を務めたのは
早川は「20年の時を経てもなお、母校は他者を諦めていませんでした。揉めていても顔を合わせ続け、共に歌っていました。互いを確認するかのような青春。その人間関係に惹かれたのです」と振り返る。
共同プロデューサーでポレポレ東中野代表の大槻貴宏は「早川さんが他者の言葉を受け止め続けてきた時間が、初めて自らの視点として結実した作品です」と本作をたたえている。
ドキュメンタリー映画「聴く隣人のいるところ」特報予告
ドキュメンタリー映画「聴く隣人のいるところ」制作者・コメント
早川嗣(監督)
コメント
山奥で少し不便な共同生活をする母校。
互いの名前をどう呼ぶか、野良猫は飼ってよいか、ドライヤーを導入するか。「そんなことまで」と思うこともみんなで話し合う、それが日常でした。
卒業後、私はこういう対話に時間を割かなくなっていきます。伝えることが億劫になったり、聞いているフリをして気に入られようとしたり。深く関わらなければ傷つくことも、嫌いになることもない。そう考えて学校を過去のものにしていたのだと思います。
しかし、20年の時を経てもなお、母校は他者を諦めていませんでした。揉めていても顔を合わせ続け、共に歌っていました。互いを確認するかのような青春。その人間関係に惹かれたのです。
本橋成一(共同プロデューサー)
大槻貴宏(共同プロデューサー)
コメント
私は、2003年に写真家の本橋成一さんと映画館「ポレポレ東中野」を立ち上げ、2015年には本橋監督の「アラヤシキの住人たち」をプロデュースし、公開しました。
早川さんは、私が専門学校で教えていた元学生です。キリスト教への思いを抱え、生真面目に他者の言葉を受け止める姿勢が、ときに彼自身の迷いにもつながっていたように思います。その後、報道の現場を経て本橋さんのアシスタントとなり、ベラルーシや福島を訪れます。被写体と向き合う姿を間近に学ぶ一方、自身の表現との距離に悩む時期もあったはずです。やがて彼は自らの視点で映像に向き合う決断をします。本橋さんはそれを静かに受け止め、「彼をよろしくお願いします」と私に話されました。昨年末に逝去された本橋さんと私が、本作の共同プロデューサーを務めました。
本作は、早川さんが他者の言葉を受け止め続けてきた時間が、初めて自らの視点として結実した作品です。
ポレポレ東中野 @Pole2_theater
ある全寮制高校の1年間を記録したドキュメンタリー映画「聴く隣人のいるところ」公開(予告編あり) https://t.co/KiW2sm5ttf