板垣李光人が戦争アニメ「ペリリュー」への思い語る「知ることから広がる」

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劇場アニメーション「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」の特別ティーチイン試写会が11月16日に茨城・茨城大学水戸キャンパスで行われ、声のキャストである板垣李光人、原作マンガ・共同脚本を手がけた武田一義が登壇した。

「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」特別ティーチイン試写会の様子

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同作では、太平洋戦争時、すでに日本の戦局が悪化していた1944年9月15日に始まった“ペリリュー島の戦い”と、終戦を知らず2年間潜伏し最後まで生き残った34人の兵士たちの姿が描かれる。仲間の最期の勇姿を遺族に向けて書き記す“功績係”を命じられた心優しいマンガ家志望・田丸均(たまるひとし)に板垣、頼れる相棒・吉敷佳助(よしきけいすけ)に中村倫也が声を当てた。

「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」本ビジュアル

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本イベントには、茨城大学の学生のほか、近隣の中学校や高校の学生を含め約400人が来場。本編の上映前に、茨城大学で水戸歩兵第二連隊や大学周辺の戦跡について研究している茨城歴史探求チームの学生たちが登壇し、研究発表を行った。上映後のティーチインイベントに登場した板垣は「この大学はまさしく本作と縁の深い場所ということで、そんな場所で上映後にお話しさせていただけることをうれしく思います」と笑顔を見せる。

板垣李光人

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本作を通してペリリュー島の戦いについて知ったという板垣は、「我々の世代は戦争経験者からお話を伺う機会も少なくなって、学校によっても戦争教育にばらつきがあると感じます」と述べ、「でも知ることから広がるものは大きいと思います。今日映画を観て初めてペリリュー島の出来事を知った方もいると思いますが、そこからどんどん自分の中の考え方を深めていただけたら」と呼びかけた。武田は「戦争を知らない点において、私はここにいる学生の皆さんと同じ立場です」と切り出し、「実際に戦地に赴いた兵士の話を聞き、『今の自分たちとまったく変わらない普通の人たちだったんだ』と知り、それを描きたいと思ったのが本作が始まったきっかけです」と語った。

左から武田一義、板垣李光人

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板垣は原作について「かわいらしい絵柄と内容の凄惨さと生々しい戦争の歴史。表情もデフォルメされていて、だからこそこちら側に想像の余地が生まれる。心情や置かれている状況で田丸均が何を考えているのか、想像ができる。読みやすいけれど現実を突き付けられる。そのギャップが魅力的だと思いました」とコメント。またアフレコ収録前にペリリュー島を訪問した板垣は「劇中でも『楽園のような場所』というセリフがありますが、実際に海は青くて緑もきれいです。でも一歩足を踏み入れると兵士の方がいた洞窟があったり、戦車も当時のままさびた状態で山道に現れたり」と回想する。彼は「島の風土、気温、風、すべてを感じることで(収録時に)イメージを補うことができました」と伝えた。

自身が演じた田丸均のパネル(右)を見つめる板垣李光人(左)

自身が演じた田丸均のパネル(右)を見つめる板垣李光人(左) [拡大]

西村ジュンジとともに共同脚本を手がけた武田。彼は「どうしても2時間の映画という性質上、(原作から)カットしてしまう場面が出てきます。それでも大切にしたかったのは、なるべく登場人物を削りたくないということです。それぞれ異なる人たちがその戦争の場にいたんだということを描きたかった」とこだわりを明かす。また「戦争をテーマにした本作に携わるうえでどのような気持ちで挑んだか?」と尋ねられた板垣は「現地に行って、亡くなった兵士や戦った兵士に対して想いを馳せるところから始めました。アフレコ収録中もその思いみたいなものは絶対に絶やさずに、作品と向き合っていたいと思いました。そして戦争経験者が後世に残そうとしてきたものをいかに正しく伝聞していくか。そこも大事にしながら今もプロモーション活動を行っています」と言葉を紡ぐ。板垣のアフレコ収録を見学したという武田は「変に作り込まず素の自分で、自分がその場にいたら?という素直な演技をしてくれた。それが本作の説得力になったと思います」とたたえた。

「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」特別ティーチイン試写会の様子

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久慈悟郎が監督を務めた「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」は、12月5日より全国で公開。

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©武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会

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