台湾映画「
本作は、雷に打たれ死んだ主人公・シャオルン(孝綸)が、運命の相手を赤い糸で結び付ける縁結びの神様・月老(ユエラオ)として奮闘するさまを描いた“冥界純愛ファンタジー”。記憶を失ったシャオルンは人間に転生するため、同じく若くして死んだピンキーとコンビを組み、縁結びによって徳を積んでいく。クー・チェンドンがシャオルンを演じ、彼の初恋の相手・シャオミー(小咪)役で
2023年12月22日に日本で封切られた本作は、その評判が口コミで広がり、2025年11月30日まで異例のロングラン上映を続けた作品。客席付近の扉からギデンズ・コーとクー・チェンドンが登場すると、会場には大きな拍手が起こった。ギデンズ・コーは「皆さんが温かい愛でこの作品を見守ってくださり、台湾から呼んでくださいました。ありがとうございます!」と、クー・チェンドンは「日本公開時は駆け付けられなかったんですが、ロングランヒットする中で、皆さんとこうやってお会いできてうれしいです」と挨拶する。
20回以上観ているファンも参加
会場には今回初めて作品を鑑賞するという観客はもちろん、20回以上観ているというファンも駆け付けた。ギデンズ・コーはコスプレしているファンをうれしそうに見つつ「10回、20回も観てくださっているのは、何回観ても内容がわからないわけではなく、本当に作品を好きだからだと信じたいです(笑)」と述べ、会場を笑わせつつ、「自分で言うのもなんですが、僕はあきらめが悪い人だと思っているんです。あきらめが悪いからこそ、若かりし頃に成仏しなかった記憶や思い出を監督という職業を介して、作品化できた。それが何よりうれしいことです。皆様の中にも同じように、手放せない、手放したくない、あきらめられない思いがあると思います。そこに共感、共鳴していただければうれしいです」と語りかける。クー・チェンドンは完成した本作を初めて観たときのことを振り返り「僕たちは、自分の黒歴史や失敗に対して、執着し続けると思うんです。ただこの作品の中に出てくるグイトウチェンのように誰かに理解してもらったり、感謝してもらったり、これまで経験したささやかな幸せを思い出すだけで、自分が執着していたものから解き放たれる瞬間がある。僕は『赤い糸』を観て、そういったポジティブなエナジーを見逃さないようにしなければいけないと思いました」と伝えた。
妻の妊娠がきっかけで脚本を変更
イベント中盤には、ギデンズ・コーが本作の制作期間を振り返る場面も。「僕はこの作品を撮っている間、ずっと死後の世界について考えていました。僕たちは自分の理解を超えるものに対して、明確な答えを見つけ出せないまま生きている。しかし、亡くなって、幽霊になったからといって、じゃあその答えが見つかるかというと、見つからないんじゃないかと思うんです。人は引き続きさまよい、どこに向かうのかわからない。死後の世界でも問い続けると思うんです。この作品の考え方の基本はここにあります」と説明する。そして「最初のキャラ設計では、グイトウチェンは500年前の怨念を抱えたままのキャラクターで、シャオルンが自己犠牲によって、悪い霊を退治するという脚本だったんです。ただ脚本を執筆・調整しているときに、妻から妊娠したと告げられました。妊娠検査薬に2本の線が浮かんでいるのを見て、自分は父親になるんだと、すごくうれしい気持ちが込み上げてきました。と同時に、この世に対する感謝の気持ちを抱いたんです。そのときに、執着や怨念を一番解消してくれるものは、やっぱり感謝なんだと感じました。グイトウチェンは怨念として現世と冥界をさまよっていましたが、シャオルンから感謝の念を伝えられたことによって、悟りの境地にたどり着く。最終的にはそんな脚本に変わりました」と裏話を明かす。さらにギデンズ・コーは「僕が指示した以上に、クー・チェンドンさんは、あのシーンでずっとひざまずいて、感謝を伝えていたんです。あまりに、ひざまずいているシーンが長いと没入感がなくなると思って短くすることも考えたんですが、この場面こそ貴重だと思って、長いバージョンを使いました」と言及した。
アルー(阿魯)の二面性にびっくり
シャオルンの愛犬・アルー(阿魯)の話題になると、クー・チェンドンは「アルーを演じたワンちゃんは実は警察犬なんです。だからすごくスマートで、トレーナーの指示に適確に答えて、要望通りのポージングもできる。ただ警察犬らしいプロフェッショナルな一面を持ちつつも、すごく人懐っこくて、甘えん坊な一面もあったんです。僕はその二面性に驚きましたね」と回想する。ギデンズ・コーが「顔を舐めまわせという指示を出しても、それを実践できるワンちゃんってなかなかいないと思うんです。どうやって撮影したかというと、クー・チェンドンさんの顔にミートソースを塗って、舐めてもらいました(笑)」と明かすと、クー・チェンドンは「積極的に舐めてくるので、僕の顔まで食べないか心配でした(笑)」と思い返した。
「赤い糸 輪廻のひみつ」にはクー・チェンドンの両親も出演している。起用した理由を問われると、ギデンズ・コーは「お父さんは『あの頃、君を追いかけた』にも出ているんです。全身全霊で出演されていて、あの作品のヒットは自分のおかげでもあると思ってらっしゃる(笑)。会うたびにそんな話をしていて、また作品に出演したいのか、話題作りなのかわからなかったんですが、じゃあ『赤い糸』にも出演してもらおうと思いました。ただ『来世も一緒になりたい』というセリフを、お母さん以外の人に言うのもややこしいと思って(笑)。お母さんにも出演してもらいました」と説明する。これを横で聞いていたクー・チェンドンは「長い時間をかけて撮影したんですが、2人とも撮影後に風邪を引いてしまったんです。父は『お前がやっている仕事はすごく簡単そうに見えるけど、こんなに体力を使う大変な仕事なんだな』と言っていました。仕事の大変さが伝わってよかったです」とほほえんだ。
最後にギデンズ・コーは「応援してくださりありがとうございます。来年も新作『功夫』を持って、皆さんと再会したいです」と願う。クー・チェンドンも「自分が出演した作品が海外の皆さんに愛されるのはすごくうれしいです。また新作が公開される際、皆さんと再会できるとうれしいです!」と呼びかけ、イベントに幕を引いた。
なお本イベントは「麻吉砥加電影presents『赤い糸 輪廻のひみつ』大ヒット感謝&新作待望特別企画『ギデンズ・コーが語る、ギデンズ・コーの世界』」と題し、12月27日・28日の2日間にわたって開催中。「怪怪怪怪物!」を皮切りに、「ミス・シャンプー」「赤い糸 輪廻のひみつ」「あの頃、きみを追いかけた」の4作品が上映され、ギデンズ・コーはすべての回に登壇する。
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