中野有紗、桜田ひより、黒川想矢、萩原利久がTAMA映画賞で新人賞を獲得

第17回TAMA映画賞の授賞式が本日11月15日に東京・パルテノン多摩で行われ、最優秀新進女優賞に輝いた中野有紗、桜田ひより、最優秀新進男優賞を受賞した黒川想矢が登壇。同じく最優秀新進男優賞に選ばれた萩原利久は仕事の都合で欠席となり、ビデオメッセージを寄せた。

前年10月から当年9月に一般劇場で公開された作品および監督、キャスト、スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考を行うTAMA映画賞。新進女優賞・男優賞は、もっとも飛躍した俳優、もしくは顕著な活躍をした新人俳優を表彰するものだ。

辻村深月の同名小説をもとにした「この夏の星を見る」での演技が評価された中野。同作は新型コロナウイルスが蔓延した2020年を舞台に、全国の中高生がリモート会議を駆使して同時に天体観測をする競技「スターキャッチコンテスト」に挑む物語だ。中野は「このような賞をいただけたのは、『この夏の星を見る』チームが導いてくださったおかげです。出会った方々、これから出会う方々に感謝を忘れず、自分の表現を育てていきたいです」と語る。また「新型コロナウイルスが蔓延していた当時、私は中学生だったんですが、学校行事、卒業旅行もすべてなくなったので、登場人物たちの苦しさは共感できました」「またこのような素晴らしい場所に立てるよう、いろいろな人の美しい思いを画面を通して届けられるよう精進して参ります」と口にした。

桜田は「この夏の星を見る」「大きな玉ねぎの下で」に参加。「素晴らしい賞をいただけて、スタッフ、キャストに感謝します」と伝え、「私は映画がすごく好きなんです。お芝居に悩んでいる10代のとき、なんでもいいから映画を観ようと決めました。1日に4本観ることもあって、それを1年やりました。その期間があったからこそ今の自分がいると思います。映画は私にとってなくてはならないものです」と思い入れたっぷりに話した。

黒川は「国宝」に加え、中野、桜田と同じく「この夏の星を見る」に出演した。「さまざまな出会いに感謝します。このような賞をいただくと、おごってしまう自分がにょろにょろと出てくる気がして、嫌悪感を感じてしまうんですが、これから自分自身と向き合って、おごることなく精進していきなさいという意味での賞だと思って受け取っております」とコメント。そして「国宝」での“歌舞伎合宿”に触れ、「吉沢亮さんと、横浜流星さんと一緒に合宿に行ったんですが、自分の意識ではなく、役として踊れたときすごく楽しかったんです。今も稽古を続けています」と明かした。

萩原は「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」「世界征服やめた」の演技により同賞に選出された。ビデオメッセージで彼は「今後、いろんな作品に向かう中で、この賞は僕の励みになると思います。もっとがんばっていきたいという気持ちにしていただきました」と言葉に力を込める。

仕事の都合で欠席となった萩原に代わりトロフィーを受け取ったのは「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」の監督・大九明子。「とてもきらきらした俳優さんたちが登壇していて、ここに萩原くんもいたら、誇らしくて、うれしくなっちゃうなと思いますが、本人が今日来られなかったことを一番悔しがっていると思います」と言い、「10年ぐらい前から彼のことを知っていて、これで3作目なんです。いよいよ主役を引き受けていただくことになって、私もわくわくしていました。皆さんご存知だと思いますが、さまざまなお芝居ができる方でいろいろなパターンを提案してくれました。幸せな時間でした。私はもちろん、さまざまな映画人が彼と一緒に仕事をしたいと思っていると思います」と賛辞を送った。

映画ナタリーでは、同授賞式の様子を引き続きレポートする。