「君の顔では泣けない」芳根京子、ばったり会った髙橋海人から「もう1人の俺！」

映画「君の顔では泣けない」の公開直前トークイベントが本日11月10日に東京・赤城神社で行われ、芳根京子と髙橋海人（King & Prince）が登壇した。

君嶋彼方による同名小説を映画化した本作は、高校1年生の夏に心と体が入れ替わってしまった坂平陸と水村まなみの物語。2人はもとに戻る方法を模索するが、15年経っても入れ替わったままだった。進学、初恋、就職、結婚、出産など人生の転機を経験する中、30歳の夏、まなみは「もとに戻る方法がわかったかも」と陸に告げる。芳根と髙橋が入れ替わったあとの陸とまなみを演じた。

陸とまなみが待ち合わせる喫茶店・異邦人をイメージしたセットで行われたトークイベント。2人が席につくとコーヒーとコーラが運ばれ、芳根と髙橋は「かんぱーい」と声を合わせ仲良くドリンクを飲む。芳根が「この1カ月はたくさん（本作の）取材を受けましたが、髙橋くんがいる日はすごく安心なんですよ。2人だと『ちょっと力抜いていこっか』という温度感になるので」と伝えると、髙橋は「自分からそういうバイブスが出過ぎてるんでしょうね（笑）。のんびり感というか」とうれしそうにほほえんだ。

オファーを受けた際の心境を尋ねられると芳根は「マネージャーさんからあらすじを聞いたときに『入れ替わるということは男性の役？』と思い、ドキドキワクワクしながら台本を読ませていただきました。ファンタジーなんだけどリアルで、どこかに本当にこんな2人がいるのかもしれないと不思議な感覚になりました」と回想する。髙橋は「入れ替わってから15年間、2人ががんばって生活している姿が描かれているので、生半可な覚悟では出演できないと思いました。脚本を読んで覚悟が芽生えました」と言葉を紡いだ。

芳根は「リハーサルで異邦人でのシーンを演じてみたのですが、みんなが手探り状態で。私は（中身が）陸だから男性らしく、髙橋くんは（中身が）まなみだから女性らしく、と考えていたのですが、そうじゃないよねと気が付きました。私は陸の心を追求することのほうが大事で、しぐさはあとから付いてくると思いました」と述懐。また芳根は「前提として陸とまなみは全力で生きてるということがベースにあります。その部分は髙橋くんと私にも通ずる気がして。だからこそ“同じ苦しさ”が（相手に）伝わると言いますか。おこがましいけど（髙橋と）生き方が似ているのかもしれないと思う瞬間がありました」と続けた。

芳根の言葉を受け、髙橋は「（芳根と）そこまで多くを語ることはあまりなくて。でも『難しいね』『苦しいね』と2人で一生懸命、役を突き詰めていけた。その空間に一緒にいられたのでずっと同じ気持ちを持っていられたんだと思います」と口にする。芳根は「『つらい』『ね！』という会話だけでちょっと楽になるというか。きっと陸とまなみもそうだったんだろうな。そこがリンクしていたと思います」と思いを馳せた。また髙橋は「リハーサルでは陸とまなみの配役を逆にして演じてみたこともありました。自分だったら陸をこう演じるけど、芳根ちゃんはこうするんだとか。そういう表情するんだ、俺だったら違うかもとか。そういう気持ちになったのが面白かったです」と明かす。

本作の撮影終了後、スタジオの廊下でばったり会ったという芳根と髙橋。芳根は「髙橋くんは別の作品で大変な撮影をしていたみたいで、私の顔を見て『あ、もう1人の俺！』って近づいてきたんです（笑）。『もう違う人生だよ！ がんばってね』って返しました」と述べ、笑いを誘う。髙橋は「遠くから聞こえる笑い声で芳根ちゃんだとわかって。だいぶ戦ってたので、すがる思いで話しかけました（笑）。（芳根は）さっぱりしてました」と笑顔を見せた。

芳根は「（取材などで）『入れ替わるとしたら誰がいいですか？』と聞かれることがあるのですが、今までは気軽に答えていたけど、今は答えられなくなりました。入れ替わるってすごく大変なことなので、自分の人生を大切にしたいと思うようになりました」とコメント。髙橋は「自分も今まではおちゃらけて答えていましたが、考えがすごく変わりました。こういうところは奪われたくないと思うことこそが、自分の人生を生きている証拠なのかな」と語る。芳根は「ラストシーンをどう受け取るか、観ている方によって違うと思うんです。だからどういう感想か教えていただきたいです。劇場の外で待ってようかな？」と発言。髙橋に「それ怖いよ！」とツッコまれていた。

映画「君の顔では泣けない」は11月14日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。