映画「
君嶋彼方による同名小説を映画化した本作は、高校1年生の夏に心と体が入れ替わってしまった坂平陸と水村まなみの物語。元に戻れると信じ、2人はその方法を模索するが、15年経っても入れ替わったままだった。進学、初恋、就職、結婚、出産など人生の転機を経験する中、30歳の夏、まなみは「もとに戻る方法がわかったかも」と陸に告げる。芳根と髙橋が入れ替わったあとの陸とまなみ、西川と武市が高校時代の2人を演じ、中沢が入れ替わる前からの陸の親友・田崎淳一に扮した。
登壇者たちが舞台に上がると、作品を鑑賞後の観客から大きな拍手が。芳根は「本当にドッキドキで! 我が子をお披露目するような気持ちです」と述べ、「初めて脚本を読んだときは、そうきたか!と思いました」と伝える。髙橋は「例えばライブでファンに会ったとき、すごくうれしいんです。でも、もし誰かと入れ替わっている状態だったら、申し訳ないとか切ないと感じるかもしれない。だから陸とまなみだけが持っている喜怒哀楽を丁寧に演じないといけない。生半可に臨んだら痛い目に遭うと思いました」と述懐。坂下は「原作はコメディとか主人公同士が恋に落ちるとか、そういうものを必要としていない内容。どういう感じで撮るかを出版社の方に伝える機会があったんですが、『はしゃいだようなコメディにはしません』とお話ししました」と明かした。
役作りに話が及ぶと、芳根は「リハの時間を設けていただいたんですが、そのときに監督が『お互いの役を入れ替えてみませんか』と提案してくださったんです。そのときに、私はシンプルに陸と向き合って、髙橋くんはまなみと向き合えばいいんだと気付けた。入れ替わりという設定に引っ張られすぎていたけれど、そういうことじゃない。攻め方がわかって、楽になった瞬間でした」と回想。髙橋は「芳根ちゃんのYouTubeを観て、どういうしぐさをするんだろう?とか形から入って。リハでも身振り手振りを強めに試してみたりしました。でも、そういうものは最小限にして、気持ちで勝負したほうがいいという話になったんです。それがわかってからは伸び伸び、現場に向き合えました」と笑みをこぼした。
陸とまなみが入れ替わる前から付き合いのある田崎。演じた中沢は「田崎にしかわからない、入れ替わったあとの違和感や空気感をどのぐらいのあんばいで観客に伝えればいいのかを考えました。あまり膨らませるよりは、フラットにいたほうがまっすぐ伝わるのかなと思ったんです」と話し、「脚本を読んだときは、陸とまなみは演じるのが難しそうだなと思いました。ずっと切なさやもどかしさが流れていて、でも温かさや優しさも流れている。この作品にしかない色がある唯一無二の作品だと感じています」と言及した。
King & Princeのファンだという武市は、現場で髙橋にアドバイスをもらう時間があったそう。「髙橋さんは台本に書いてあることだけじゃなく、心情も考えると教えてくださって。相手のセリフを吹き込んで、それをあとから再生して、対談のように練習するという方法も教えてもらいました」とうれしそうに報告。髙橋は「現場で一緒にいる時間はなかなかなかったんです。でもKing & Princeのことを好きだって言ってくれて、さっきも緊張するからって『moooove!!』っていう自分たちの曲を踊ってて。まなみという同じ人間として生きるので、好きなものが一緒だったり、ちょっとの時間でも一緒に話せたのは大事でした」と語った。一方の西川も芳根に演技について質問する機会があったそうで、「お優しくて、いっぱい話してくださって!」と声を弾ませる。これに芳根は「すごい緊張していて、背中ペチペチしました(笑)」と振り返った。
イベント中盤には、まなみによる独白シーンの話題へ。髙橋は「あのシーンはクランクアップの場面だったんです。集中していましたし、記憶に残るシーンでした」と言及。すでに撮了していたという芳根は「現場に観に行かせていただいたんです。2人のときには見せない表情のまなみの顔をしていました。すっごい胸が締め付けられて、なんだこのヒロインは!と思いました」とたたえた。
最後に髙橋は「自分の人生を振り返ったときに、唯一無二だなとか、自分の人生って愛しいなって気付いてもらえるきっかけになるような、映画になっていると思います」とコメント。芳根は「観た方がどう感じてくださったのか、たくさん感想をお聞きしたいです!」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
映画「君の顔では泣けない」は、ハピネットファントム・スタジオ配給のもと11月14日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
(・♢・)୨୧(∂ω∂)azu🐝⋆゜ @KPQP_kaito
芳根京子ちゃんの言葉嬉しいね🥹💛
#君の顔では泣けない https://t.co/adENCQ9XaJ