映画「
本作は、浪費家の母親から経済的虐待を受け、朝から晩までアルバイトや家事に追われる大学生・宮田陽彩を主人公に据えた“青春逃走劇”。彼女は母親から売春を強要されていた過去を持つ同級生・江永雅と出会い、心を通わせていく。陽彩を南、雅を馬場が演じた。
2人が扮したのは、親子関係に問題を持つ複雑なキャラクター。「陽彩はすごく不安定な子」と役柄を分析する南は、クランクインの前に井樫が制作した“役年表”を受け取ったそうで「『小学何年生の夏休みは~』とか『クラスではこんな存在』のように細かく書いてくださったので、芝居をする中で助けになりました」と感謝を伝える。さらに馬場はアクティングコーチのもとでレッスンを受ける機会があったと明かし、「台本をいただいてからカメラの前に立つまでどういう準備をしていくかを、座学で勉強させていただきました。今までこういう機会はなく“現場でがんばる”ことが多かったので、新鮮だなと思いました」と振り返った。
井樫はイ・ナウォンと執筆した脚本について「主人公が母から1回逃げて、雅と過ごしたあとに母と決別していくという原作の筋を大切にしようと思いました。2人(南、馬場)は原作や脚本から大事な要素をキャッチして演じてくださった」とコメント。馬場が「自然体で演じてくれたらいいよ」と演出を受けたと話すと、井樫は「ふみちゃんは普段すごくカラッとしている印象ですが、誰にも見せない瞬間が垣間見えるときもある。その部分が雅とリンクしているなと思いました」と語った。
「印象的なシーンは?」と質問されると、南は水中に浮かぶ場面を挙げ「水が苦手で、浸かるのが怖いんです。浮けなくて沈んでいっちゃうところを監督が支えてくれた」と回想。馬場は陽彩と雅が自転車で2人乗りするシーンに触れ、「山道でカーブの多い下り坂だったんです。カメラを乗せて前を走る軽トラックと距離を保ちながら、安全に沙良ちゃんを運び、かつセリフを言わなければならない。やることが多すぎて……」と訴える。南が「いっぱい練習したよね!」と目線を送ると、馬場は「そうだね。そもそも自転車に乗れるの?というところから(笑)」と応じていた。
現場では2人で一緒にいることが多かった南と馬場だが、実はともに人見知りだという。馬場が「互いの存在が近くにあることに慣れていく感じが、陽彩と雅の関係性にも反映されていったのかな」と述懐すると、井樫は「撮影中、気付いたら並んでただただ座っているんです。別に社交辞令の会話もしないし、2人で一言二言しゃべってお茶を飲んでいる。その姿が役柄的にもすごく素敵だなと思いました」と称賛する。そしてMCが「監督はそこに入らないのですか?」と問いかけると、馬場は「写真を撮ってくれましたね。サッと現れて撮り、去っていくみたいな(笑)」と告白し、井樫を照れさせていた。
イベントの中盤には、ともに6月生まれの南、馬場に井樫から花束が贈られる一幕も。南は「体調を崩さず、より新しいことにチャレンジしていきたいです!」と意気込み、30代に突入する馬場は「先輩方に『30代は楽しいぞ』と言われているので、とても楽しみです」と笑顔をのぞかせた。
「愛されなくても別に」は7月4日より東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される。
映画「愛されなくても別に」予告編
南沙良の映画作品
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おおとも ひさし @tekuriha
「愛されなくても別に」南沙良と馬場ふみかの空気感に井樫彩「すごく素敵」 - https://t.co/ELm8JWI4b7