「響け!ユーフォニアム」で知られる武田綾乃の小説「愛されなくても別に」が映画化。「あの娘は知らない」の
本作は、学校に通いながら朝から晩までアルバイトや家事に追われる大学生・宮田陽彩(みやたひいろ)を主人公に据えた“青春逃走劇”。母親に金を渡し世話をする陽彩は、暴力こそ振るわれないが「愛している」と言う言葉に縛られ、ゆるやかな絶望と人生に対する失望感の中で生きていた。そんなある日、バイト先の同級生・江永雅(えながみやび)と出会うことによって、陽彩の人生は大きく変わっていく。南が陽彩を演じた。
南は「芝居している中で、自分が不幸であることを他人との物差しとして用いてしまう陽彩を抱きしめてあげたくなりました」と吐露し、「ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、今を生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした」とコメントした。
本作が長編4作目となる井樫は、「映画にはならないような、劇的とは程遠い、表現という手段からこぼれ落ちてしまうような小さな小さな傷や痛み。それらをこぼすことなく映画に閉じ込めたい、と思いながら制作しました」と振り返る。短編「恋と知った日」以来2度目のタッグとなった南の魅力については「たくさんありますが、その1つは内に秘めた感情を実感を伴って表面に出すことが出来ること。陽彩という心の中でさまざまな感情が渦巻いている主人公を、言葉少なくとも繊細に表現してくれました」と語った。
カルチュア・パブリッシャーズが配給する「愛されなくても別に」は、東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。脚本は井樫と、「熱のあとに」「誰よりもつよく抱きしめて」のイ・ナウォンが執筆した。
南沙良 コメント
お芝居している中で、自分が不幸であることを他人との物差しとして用いてしまう陽彩を抱きしめてあげたくなりました。
誰かと出会うこと、何かを失うこと、なにかを信じること。
ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、今を生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした。
井樫彩 コメント
あらすじから暗くて重い話なのかと思われがちなのですが、決してそれだけの物語ではありません。
苦しんだり傷ついたりしながら、だれかの手を振り払ったり…ときに手を取ったりして
力強く歩んでいこうとする陽彩と雅という、ふたりの人間の物語です。
ふたりに会いに、ぜひ劇場にお越しいただけたら嬉しいです。
佐藤慎太朗(プロデューサー)コメント
社会問題をテーマにした題材はどうしても重たくなりがちですが、武田先生の描くこの物語にはそれだけではなく、作品全体を包み込む不思議なポップさがありました。
原作が持つその独特な世界観を大切にし、なおかつ鑑賞後に清々しさを与えられるような映画にしたいと、井樫監督にこの企画を持ち込みました。
同年代で同じ時代を生きてきた井樫さんとだからこそ、この映画が作れたと思います。
生きていくうえで不安や悩みはつきものですが、登場人物たちの勇気が、誰かに寄り添い、救うことを願います。
映画ナタリー @eiga_natalie
監督・井樫彩×主演・南沙良で武田綾乃の「愛されなくても別に」映画化、7月公開(コメントあり)
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