「山形ドキュメンタリー道場 in 東京 2025 初夏篇」が6月7日から13日にかけて東京・専修大学 神田キャンパス、ユーロスペースで開催される。
「山形ドキュメンタリー道場」は、アジアのドキュメンタリー制作者のための国際的なアーティスト・イン・レジデンス。2018年から山形県の蔵王温泉と肘折温泉で7回開催された。
今回は「山形ドキュメンタリー道場」で生まれた映画や参加者の作品が上映されるほか、作家やメンターによるトークセッションを実施。
さらに、参加者がフッテージやラフカットを上映してプレゼンテーションを行い、意見を交換し合うワークショップも開催。主催者の藤岡朝子や「山形ドキュメンタリー道場」に参加した映像作家によるコメントは以下の通りだ。
「山形ドキュメンタリー道場 in 東京 2025 初夏篇」
2025年6月7日(土)~ 13日(金)東京都 専修大学 神田キャンパス / ユーロスペース
上映作品
※併映作品、上映スケジュール、トークゲストは公式サイトでご確認を
藤岡朝子(ドキュメンタリー・ドリーム・センター代表 / 「山形ドキュメンタリー道場」主宰)コメント
そもそも現代人は忙しすぎる。創作に取り組む人を、仕事、家庭、社会活動の日常が追いかけてくる。撮影も編集もひとり。「いつまでやってるの?」焦りが首をもたげる。「ドキュメンタリーは主題に魅力があれば、なんとなくまとまるんだよ」いやいや。一度立ち止まり、集中して創作の原点にきちんと向き合う時間と場所があった方がいい。クリエイティブ・ドキュメンタリーの作者には、世界を見つめるのと同じぐらい自分と対話してもらいたい。他者を通して自分を発見できる国際交流は、その手助けになる。山形ドキュメンタリー道場は、作品完成に向かう長い道中に必要な創造の湯治場である。
小田香(「セノーテ」監督 / 2018年「DOJO 1」参加)コメント
道場から得たものは、勇気です。不安をいだきながらも舵をとる勇気。それを継続していくためには、他者に対する感性をみがき続けないといけない。
道場でみなさんのお話を聞いていると、みんな各々の土地(立ち位置)で映画に向かい合っているとを感じました。あそこには誰がいて映画をしている、そっちにも、こっちにもという事実に、あたたかく背中を支えられています。
藤野知明(「どうすればよかったか?」監督 / 2022年「DOJO 4」参加)コメント
家族以外の人に見せた最初の場でした。
意外にも多くの人が私の映像や制作意図を肯定的に受け止めてくれ、作ってもいいのかもしれないと実感しました。
自分の作品がどう受け止められるか、事前に知ることができました。
具体的に制作の変更点・アイディアがいくつも出てきました。
ルオ・イシャン(「雪解けのあと」監督 / 2023年「DOJO 5」参加)コメント
「道場」は「道(the way)」と「場(the place)」の二文字で構成されている。ひとつは動で、ひとつは静。ひとつは外で、ひとつは内。道場で、私たちは対立する物や感覚から、共存とバランスを探した。緊張とリラックス、有音と無音、見えるものと見えないもの、集団交流と個人、旅の目新しさと慣れた日常、温泉の熱さと雪の冷たさ......。そしてドキュメンタリーは、肘折に積もる雪にも似て、少しずつ積もり、凍っては溶け、時間の景色を形成していくのだ。
小森はるか(「春、阿賀の岸辺にて」監督 / 2024年「DOJO 6」参加)コメント
おもに一人で撮影をしている私は、制作過程での具体的な葛藤や悩みを誰かと密に共有する機会をつくれていない。そんな私にとってこの道場は、解決に向かうためにアドバイスをもらったり、映画制作の方法論を教わったりするという感じではなく、本当に迷うべきところはどこにあるのかを教えてくれました。
自分一人では絶対に気付けなかった根本的な問題を、他者の目を介したことで、その後一人の作業時間にも、目が研ぎ澄まされていく実感がありました。
映画配給会社・東風 @tofoo_films
『どうすればよかったか?』
『骨を掘る男』
『絶唱浪曲ストーリー』
『プリズン・サークル』
の上映があります!! https://t.co/YszEWi6jYS