藤本美貴、“野原家みたい”はうれしい言葉!「映画クレヨンしんちゃん」に家族で夢中

世代を超えて響くメッセージが詰まった「映画クレヨンしんちゃん」。笑いあり涙ありのストーリーに、子供はもちろん、大人の心にもじんわり響く“ファミリー映画”として、毎年新作が公開されるたび多くの観客の心をつかんでいる。

このたび、Blu-ray / DVDが販売中の「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」を藤本美貴が鑑賞。2024年8月に劇場公開された同作は、「映画クレヨンしんちゃん」31作目にして、シリーズ歴代最高興行収入を更新したヒット作だ。3児の母として子供たちと「クレヨンしんちゃん」を楽しんでいるという藤本が、野原家と自分の家族を重ねながら、映画の感想や「クレヨンしんちゃん」の魅力をたっぷり語る!

取材・文 / 岡本大介撮影 / 山口真由子

「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」予告編

ストーリー

現代に恐竜をよみがえらせたテーマパーク“ディノズアイランド”が東京にオープン! 野原しんのすけはカスカベ防衛隊の仲間たちとディノズアイランドの見学ツアーに招待され、恐竜たちとの触れ合いを楽しんでいた。同じ頃、カスカベの河原では、愛犬シロが小さな恐竜ナナと出会う。ナナは野原家やカスカベ防衛隊ともすぐに仲良くなり、特別な夏の時間を過ごすが、ナナをめぐって争奪戦が勃発。ディノズアイランドの創設者バブル・オドロキーがあの手この手でナナを捜索する中、しんのすけはナナの秘密を知る青年ビリーと出会い、一緒に行動することに。しかしトラブルが起きて恐竜たちが大脱走し、東京・渋谷の街を破壊して大暴れ。しんのすけたちはナナを守るため超巨大恐竜に立ち向かう!

「ジュラシック・パーク」みたいな感覚で楽しめました

──「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」をご覧になった印象はいかがでしたか?

しんちゃんたちは相変わらずかわいいし、シロと恐竜ナナの友情にも感動したし、友情あり家族愛ありの「これぞしんちゃん映画!」という感じで。すごく満足感がありました。特に今回はシロの優しさだったり、みさえやひろしの子供たちへの愛情が際立っていて、思わず「そうだよね」って思わせてくれたり。それでいて、くだらないギャグも満載だし、大人のダメなところもちゃんと見せてくれるじゃないですか。リアルな感覚もしっかり持ち合わせているところがしんちゃんっぽくて好きでした。

左からシロ、ナナ、しんのすけ

左からシロ、ナナ、しんのすけ

恐竜の扮装をするカスカベ防衛隊

恐竜の扮装をするカスカベ防衛隊

──今回の映画は「恐竜」がモチーフになっていますが、そこはいかがでしたか?

息子が恐竜好きで、白亜紀の恐竜の本とかをよく読んでいるから「本で見たやつだ!」と思いました。「ティラノサウルスってそんなに毛が生えていたんだ!」とか「スピノサウルスって最近よく名前を聞くなあ」みたいに、いろいろ勉強にはなりましたね。

──研究や解明が進むにつれて、昔とは恐竜のビジュアルも変わっているんですよね。

そうそう! だからあまり恐竜に興味のない私でも、「ジュラシック・パーク」みたいな感覚で楽しめました。すごくリアルに動いているので、Blu-rayをゲットした人は細かく観てみるのもお勧めです。

藤本美貴

藤本美貴

冒険から帰ってきた子供たちは顔付きが違う

──特に印象深いシーンはありましたか?

たくさんあるんですけど、しんちゃんの夏休みの絵日記は温かい気持ちになれてよかったです。あとは、しんちゃんとシロとナナが扇風機の前に並んで涼んでいて、それを見たみさえが、シロを家に迎え入れたときのことを思い出すシーンも好きですね。いろいろな思い出がフラッシュバックして「こうやって家族になっていったんだなあ」ってしみじみと語るみさえが、なんだかとても幸せそうで、声も優しいんですよ。ひろしもそうですけど、この両親に育てられたからこそ、しんちゃんはここまでまっすぐに、シロはこんなにも優しく育ったのかなと思うと、改めて「いい家族だなあ」と……。シロって本当によくできた子ですよね? ナナのために自分のごはんを我慢して、こっそり届けに行くなんて、もうかわいすぎる!(笑) あとこれはギャグシーンなんですけど、ネネちゃんがぶりっ子して恐竜を寄せ集めたあと、ウサギのぬいぐるみを殴ってビビらせて恐竜たちを従わせるシーンも好きです(笑)。かわいさと怖さのギャップがネネちゃんらしいですし、「恐竜にもこのやり方効くんだ!」と思って笑っちゃいました。

ひと夏の思い出をつづった絵日記

ひと夏の思い出をつづった絵日記

野原家に連れて来られた恐竜ナナ(中央左)

野原家に連れて来られた恐竜ナナ(中央左)

──藤本さん的に、ネネちゃん式の“教育方法”はどうですか?

全然アリです(笑)。実際、子供たちに「いい加減にしなよ?」みたいな感じで、けっこうすごみを利かせて怒ってますから。

──ネネちゃんの場合は暴力をチラつかせてますけど。

私もチラつかせまくってます(笑)。もちろん本当に振るうことはないですけど、「怖い」と思わせるのは大事だと思うんです。それで言うと、むしろみさえっぽいのかな? 私のYouTubeチャンネルのコメント欄でも、よく「みさえっぽい」とか「野原家みたい」って言われるんですよ。「私がみさえ?」って、けっこううれしいです(笑)。

──夫婦間のパワーバランスとか、野原家と通ずるものがありそうですね。

私と旦那さん(庄司智春)の関係はわりと似ているなって思います。ただ、うちの息子はしんちゃんほど破天荒ではないですし、あんなにお尻も出さないです(笑)。でも何が面白いのかさっぱりわからないような遊び方をしていたりとか、似ているところもあるので、しんちゃんを見ていて「それある!」と思うことも多いですね。

藤本美貴

藤本美貴

──本作もそうですが、「映画クレヨンしんちゃん」シリーズでは、冒険を通じて子供たちの成長が描かれることが多いです。藤本さんは、お子さんたちが「成長したな」と感じるのはどんなときですか?

やっぱり何かにチャレンジしたときは成長を感じますよね。学校の校外学習でキャンプに行ったり、親のいない状況で何かをするときは特にそう。例えばお兄ちゃんと妹の2人で映画を観に行ったりすると、帰ってきたときの顔付きが違いますもん。

──子供にとっては映画鑑賞も冒険なんですね。

出発する前はすごく不安そうに「大丈夫かな?」なんて言うんですけど、帰ってきたら「すごいことを成し遂げた」みたいなテンションで饒舌に語ってくれるんです。映画館にはたどり着けたけど、何階かわからずに迷ったとか、妹がトイレに行ったから時間がギリギリになったけどなんとか間に合ったとか、それはもう意気揚々と(笑)。

シロとナナを助けるため円陣を組むカスカベ防衛隊

シロとナナを助けるため円陣を組むカスカベ防衛隊

鼻水で恐竜たちに立ち向かうボーちゃん(中央)

鼻水で恐竜たちに立ち向かうボーちゃん(中央)

──そういった子供たちだけの冒険やチャレンジというのは、藤本さんが意識してさせているんですか?

どうなんだろう? そろそろ2人だけでも大丈夫だろうっていう気持ちもあるし、やってみてダメならまた挑戦すればいいやとか、そのあたりは感覚的かもしれません。

──失敗してもいいからやらせてみるというスタンスなんですね。

そうです。「とりあえず行ってきなよ」という感じで。子供って、親がいたら何も考えなくて済むけど、それって楽だけどつまらないじゃないですか。だから私はあえて「好きにしなよ」というスタンスです。買い物とかでも、渋谷のハンズに1人で行かせてみたり。息子は「場所がわからない」と不安そうなんですけど、そんなの誰かに聞けばいいじゃんって。さらにさりげなく「近くに渋谷ロフトもあるから、ついでにそっちも寄ってくれば?」と言ったりして(笑)。

──確かに子供にとっては寄り道も冒険ですもんね。

ただ、うちの息子は慎重派なので、寄り道はけっこうハードルが高いんですよね。私は「寄るんじゃない?」と思うけど、旦那さんは「あいつは寄らないだろ」ってお互いに予想したりして、それも楽しかったりします。

藤本美貴

藤本美貴

──結果は?

ハンズにだけ行って、寄り道は一切せず帰ってきました(笑)。私からすれば「いやいや、寄ろうよ!」と思うんですけど、こればっかりは性格がありますから。