「なんのちゃんの第二次世界大戦」の
本作は、ろう者の親を持つ聴者の子供を意味するCODA(Children of Deaf Adults)である河合が、日本手話とクルド語を題材に消滅危機言語、コミュニケーションの問題に切り込んだ作品。電器店を営むろう者の父と弟、CODAの夏海の古賀家と、同じ町に暮らすクルド人一家が些細なすれ違いから対立するところから物語は展開していく。
クルド人一家の中で唯一日本語が話せるヒワとともに、両家の通訳として駆り出される夏海役に「愛のゆくえ」の
なお「みんな、おしゃべり!」のクラウドファンディングは、本日5月3日にスタート。前売券とセットになったオリジナルTシャツやパンフレット、非売品メイキングBlu-rayなどのリターンが設けられた。詳細は特設ページで確認してほしい。
河合健 コメント
映画の登場人物たちと同じように、日本語・日本手話・クルド語が入り乱れ、ああだこうだと言い合う現場でした。言葉の壁を乗り越えるというよりは言葉の壁を使って遊ぶような日々でした。
みんなが一つになるわけではなく、それぞれにしか分からないこと、譲れないものがあり、それらを受け入れながら進んだ結果、とんでもないものが撮れました。改めて、素敵なスタッフ・キャストに感謝しています。
また、本作では字幕も表現の一部です。いわゆる「バリアフリー」ではなく、「バリア」を活かしたオリジナルの字幕を作りました。それぞれの第一言語を持つ観客にしか見えないもの、感じ取れないものがあり、その“ズレ”や“抜け落ち”こそが、この映画の核になっています。
前の席や隣の席に座る異なる文化・言語を持つ観客の反応も含めて、楽しんでもらえたら嬉しいです。
牧原依里(ろうドラマトゥルク / 演技コーチング)コメント
本作では、初めて演技に挑戦するろう者や子どもたちを中心に、演技コーチングを担当しました。またドラマトゥルクとしても、河合監督と対話を重ねながら、作品の方向性を模索し、監督の意図を汲み取りながら並走してきました。
初めて脚本を読んだ際、冒頭のシーンをみて「これはすごいことになる」と直感したのを今でも鮮明に覚えています。河合監督ならではのユーモアあふれるアプローチで、これまで誰も正面から扱ってこなかった、いわば“タブー”とされてきたテーマに、ウィットに富んだ視点から果敢に挑んでいます。脚本を読んだ段階では理解しきれなかったラストシーンも、今では私がもっとも愛する場面のひとつとなりました。ここまで多言語を本質的に取り入れた映画作品は、かつてなかったのではないでしょうか。
実は、字幕の見せ方ひとつをとっても長い議論を重ねてきました。最終的にどのような形になったかは、ぜひ劇場でご覧いただけたらと思います。
この作品は、まさに“私たちがこの社会をどう生きているのか”を映し出すものです。映画界のみならず、ろうコミュニティにおいても語り継がれる一本になると確信しています。
ワッカス・チョーラク(クルド表現監修)コメント
言語をテーマにした作品で、クルド語が描かれると知った時、とても嬉しく思いました。在日クルド人二世の言語問題、また出身地によりトルコ語・アラビア語に分かれたクルド人のリアルな現状を切り取りつつ、映画ならではの驚くような展開が待ち受けています。深刻化する世界の分断や言語の壁を、シニカルにユーモラスに描いた素晴らしい作品です。ぜひ映画館で楽しんでください。
Reo kobayashi @Matsumoto1453
ユーモアと感動が組み合わさっていて、笑いと涙が交互にこみ上げてくるような、心温まる作品です。
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