特別企画「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」の「
「伊丹十三4K映画祭」では、
渡部と佐伯は、本作の公開時以来約30年ぶりの再会だといい、佐伯は「言葉を失いました。でも相変わらずかっこいいです」と伝える。渡部は、伊丹との初対面について「夏前だったのかな。オーディションと聞かされていたのですが、監督のオフィスに行ったらもう『がんばろうね』みたいな感じだった。そして『アメリカでやるとしたらトム・クルーズにお願いしたいんだよ。日本だったら君だよね』と、最高の口説き文句を言われたことを覚えています」と明かした。
佐伯は「初めて伊丹プロでお会いしたとき『(伊丹が当時CMに出演していた)ツムラの日本の名湯の人だ!』と思いました(笑)。そのときは緊張してふわふわしていたので(ほかに何を話したか)覚えていないんですけど、マーちゃん役が決まったあと伊丹さんに(高級イタリアンレストランの)『キャンティ』に連れて行っていただいたんです。バジリコのスパゲティを食べて『たまにはこういう文化的な食事もいいよね』と言われたのですが、文化的な食事って何!?と。当時高校生だったので(笑)」と振り返った。
本作の撮影時に話題が及ぶと、佐伯は「渡部さんの役作りが本当にすごかった。体重をコントロールされたり、ピアノをご自身で弾かれたり、泳ぎ方もイーヨーになっていて」と称賛。共演者について問われた渡部は「山崎さんはすごい存在感で圧巻でした」と話し、佐伯も同意しつつ「リハーサルのときに1つセリフを忘れてしまったら、山崎さんが私のセリフをパッと言われたんです。みんなのを覚えてるんだなと思いました」と当時のエピソードを披露した。
現場での伊丹については、渡部が「常にニコニコして温かい目で見守ってくれていました」と述懐する。佐伯は「映画の中でイーヨーがプールを泳ぎきって、ビデオを構えていたマーちゃんが泣くシーンでは、終わったあと監督がスタスタと私のところに来て『今の本当によかった』とハグして褒めてくださいました。映っていないのに、イーヨーのあの大変な泳ぎ方で泳いでくださった渡部さんにも感謝しています」と時折涙をにじませながら口にした。
“お二人にとって映画「静かな生活」とは?”という質問に対し、佐伯は「デビューから2作目で大きな作品。プレッシャーでしたが優しくて温かい現場でした。今でも現場で『伊丹監督が好きで』と言ってくれる方がいっぱいいてうれしい」と述べる。渡部は「やっと俳優としての入り口に立てた作品なんじゃないかなと思う」と回答。また「伊丹監督が今ふらっと現れたら何を話したいか?」と聞かれた佐伯は「なんてことない話をしたいです。猫のこととか」とほほえみ、渡部は「お酒の話、食事の話、洋服、車、ヨーロッパの話……たくさんいろんなことを知っていて、すごくかっこいい大人だった。私も少し歳をとってお酒の味がわかるようになったので、そんな何気ない話をしたいですね」とコメントした。
最後に渡部は「私の夢は名作に出ることでした。“名作”になるには時間が掛かりますから、やっと今日、その機会をいただけたなと思います。伊丹監督の作品を愛してくださる皆さんにも感謝しています」と伝え、イベントを締めくくった。
「伊丹十三4K映画祭」はTOHO シネマズ日比谷と大阪・TOHO シネマズ梅田で5月1日まで開催。5月17日には、日本映画専門チャンネルで10作品の一挙放送も行われる。
※山崎努の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
佐伯日菜子 @hinakosaeki
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