西野亮廣原案「ボトルジョージ」は“無理ゲーの連続”、ドワーフ・松本紀子とトーク

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第3回新潟国際アニメーション映画祭のイベント上映「ドワーフ特集」が、3月18日に新潟・日報ホールで開催。「ボトルジョージ」と「こまねこのかいがいりょこう」がスクリーンにかけられ、ドワーフスタジオのプロデューサー・松本紀子と、「ボトルジョージ」の製作総指揮・原案を担った西野亮廣が登壇した。

左から松本紀子、西野亮廣

左から松本紀子、西野亮廣

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「ボトルジョージ」ビジュアル ©CHIMNEY TOWN

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「こまねこのかいがいりょこう」場面写真 ©dwarf・こまねこフィルムパートナーズ ©dwarf

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堤大介が監督を務めた「ボトルジョージ」は、依存症と家族をテーマにしたコマ撮り短編アニメーション。酒瓶に閉じ込められた毛虫のような生き物・ジョージが、ある日小さな少女チャコと猫に出会うさまが描かれる。ドワーフスタジオ代表の合田経郎が監督を務めた「こまねこのかいがいりょこう」では、初めての海外旅行に出かけることになった猫の女の子“こまちゃん”の友情と成長がつづられた。

西野亮廣

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「ボトルジョージ」の製作の経緯について、西野は「2019年のトンコハウス映画祭に登壇者として参加したときに堤さんと初めて会って、そこで『何か一緒にしよう』と盛り上がったのがきっかけ。僕が『本を書きます!』と言ってから半年後に提出したのが『ボトルジョージ』でした」と説明する。当初は絵本としての企画で、ジョージではなく挫折したおじさんランナーがボトルの中に入ってしまう話だったという。堤からコマ撮り作品として進めることを提案された西野は「明らかに大変そうだけど、せっかくチャレンジするなら一番面倒くさいやり方でやるのが面白そう!と思い、その場で『やりましょう』と返事しました」と回想した。

松本紀子

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コマ撮りで作ることが決まり、よりアニメーション映えするキャラクターやストーリーに変更していった。瓶の中に入るのが“変形する生き物”になったことについて、松本は「形が(決まってい)ないキャラクターデザインってなんですか!?と。コマ撮りでやっちゃいけないものが満載。液体だし、形がよくわからないし、(猫の)毛も御法度なんですよ! “無理ゲー”連続のプロジェクトに喜んで参加させていただきました!(笑)」と明るく語った。

「ボトルジョージ」の制作風景

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本作の舞台はヨーロッパ。西野は「ジョージが入っているボトルが、道を転がるときに跳ねてほしかったんですよね。それで石畳のある街にした」と明かす。同シーンの撮影について松本は「それもコマ撮りする人がいますからね。ボトルがガシャーンと割れるシーン、あれだけで1カ月掛かってますから!」と力説した。

トークショーに登場したこまねこ(左)とチャコ(右)

トークショーに登場したこまねこ(左)とチャコ(右)[拡大]

松本から西野に対し「アニメ業界にもAIが参入し始めた今の時代に、なぜコマ撮りに挑戦しようと思ったのか?」という質問が投げかけられた。西野は「AIで生成できないものが絡んでいないエンタメはすべて淘汰されると思う。土地、時間、思い出……これらを僕は“アンカー”と呼んでいるのですが、こうした質量のあるものをAIは作ることができないし、“手が掛かっている感じがする”という感覚を僕たち人間は持っている」と述べ、「コマ撮りの『手が掛かっている』『時間が掛かっている』ことに価値を感じる。(AIがあらゆる分野に参入する今)そういうエンタメの味わい方をし始めているんだと思います」と見解を示した。

西野亮廣

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観客から「『ボトルジョージ』を作るうえで、立場的な部分で苦労した点や悩んだことは?」と聞かれた西野は、「本来(作品を)作りたくてこの世界に入っているので、予算を作るために講演会で各地を回っているときは『俺が(制作現場の)一番近くにいたいのに……』と思うことはありました。気持ちがやられそうでした(笑)」とコメント。松本は「現場で西野さんのことを忘れたことはありませんでしたよ」と伝え、「本当は西野さんじゃなくて、作品がお金を作らないといけない。それをやりきれなかったのは反省です。次は初めから“作品で稼ぐ”仕組みを作りたい」と口にした。

「ボトルジョージ」は、東京の会員制スナック・CANDYにて連日上映中。予約方法などの詳細は映画の公式サイトで確認を。

第3回新潟国際アニメーション映画祭は、3月20日まで新潟市民プラザほかで開催される。

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