オムニバス映画「
「アット・ザ・ベンチ」は変わり続ける街・東京を舞台にさまざまな人物の思い出の時間を紡ぎたいという奥山の願いによって始まったプロジェクト。二子玉川の川沿いに佇む古ぼけたベンチを舞台に、人々の何気ない日常が切り取られていく。
本作の舞台となったベンチは、奥山が暮らしていた地域から近い場所に実在するもの。彼は、2年ほど前にその近辺で大きな橋の工事が始まったことに触れつつ「このベンチが撤去されてしまう前に作品として残しておかなければ後悔しそうだなと思い、すぐに企画書を書きました」と振り返る。そして「形式としては純粋な自主制作なのですが、ありがたいことにこうやって無事完成して、公開することができて本当に幸せです」と感慨深げに伝えた。
完成した映画を観た岡山は「ほかにどんなメンバーが出演するのか、というのは聞いていたんです。でも自分が出ているところ以外の話は知らなかったですし、映画を観たらすごいことになっていて、『エクストリームだな』と。こんなところまで連れてかれるのかと驚きました」と感想を述べる。岸井は蓮見の脚本に関して「面白いと思いましたけど、この台本を覚えるのか、とも思いました。ちょうどそのときにセリフの多い役をやっていたんです。だからセリフを覚えるのは苦労しましたけど、一緒に演じるのはすごく楽しかった。本読みを何回かやらせてもらえたのはよかったです。あれでだいぶ定着できました」と述懐した。
撮影時の話題では、荒川が「今はデジタルで撮ることが多いのですが、この作品は監督のこだわりで(16mm)フィルムで撮ってるんです。バイク便で(追加の)フィルムを持ってきてもらったこともありました」と印象に残った出来事を回想。また観客から「非常に自然な演技ですが、どうやっているんですか?」という質問が飛ぶと、岸井が「同じカットを切り返して(カメラの角度を変えて)撮影をしたときも、まったく同じ感じではできなかった。その場の空気でというか……」と答え、岡山は「本当に即興性があるというか。作為を持ってやっているわけではなかったということですよね」と語った。
劇中では、岸井演じる菜々が岡山演じる貫太にいくつか不満をぶつけるシーンがある。「バイク乗りじゃないのに、バイク乗りみたいな格好をしている」「芸能人を呼び捨てにする」「ちょっとだけ飲ませてもらおうとしたジュースに口を付けないで飲む」といった要素の中から、観客に「実際にやられたら気になるなと思うことは?」と問われた岸井は、熟考したのちに「でもバイク乗りみたいな格好はやだな……けっこう気になる」と回答し、会場は笑いに包まれる。さらに、衣装合わせの日の私服が劇中の衣装に近かったという岡山に向かって、岸井が「いっそのことバイクに乗れば?」と提案すると、岡山は「それじゃ劇中のやり取りと一緒じゃない(笑)」と返していた。
「アット・ザ・ベンチ」はテアトル新宿ほかで公開中。今後、全国60館での順次拡大上映が決定している。第1編と第5編には広瀬すずと仲野太賀、第3編には今田美桜と森七菜が出演し、第4編のキャストには草なぎ剛、吉岡里帆、神木隆之介が名を連ねた。脚本は、第1編と第5編を生方美久、第3編を根本宗子、第4編を奥山が執筆している。
映画「アット・ザ・ベンチ」予告編
奥山由之の映画作品
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