「正欲」などの脚本家・港岳彦による初演劇作品「マルコとグリーンの海」1月上演

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映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」「正欲」「ゴールド・ボーイ」などで知られる脚本家・港岳彦による初の演劇作品「マルコとグリーンの海」が2025年の1月11日から13日まで東京・ブックカフェ20世紀で上演。「すばらしき世界」の桜木梨奈、「ケンとカズ」のカトウシンスケが出演し、舞台「小鳥の水浴」などの里見瑤子が演出を手がける。

舞台「マルコとグリーンの海」ビジュアル

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本作は、映画界を含む現代社会のハラスメント問題に港が心を配る中で気付いた、誰もが持っている「被害者」と「加害者」の側面に焦点を当てた作品。町で出会い意気投合したルカとハルトが閉店後のブックカフェで過ごす一夜が描かれる。夜が更けるにつれ、明らかになる互いの過去。他者を害した過去から目を背け続けるルカを桜木、害を受けた過去にうずくまったままのハルトをカトウが演じる。

舞台「マルコとグリーンの海」チラシ

舞台「マルコとグリーンの海」チラシ[拡大]

文芸評論家の切通理作が桜木に「芝居をやりましょう」と声をかけたことからスタートした本プロジェクト。台本の作者として2人が名前を挙げたのが港だった。彼は今回、演劇を制作をするためにヒコ・カンパニーを立ち上げ。本作が第1回公演となる。

創作の出発点が高校演劇だったという港は「映像作品の脚本を書き始めて20年近く。やっと演劇という原点に戻ります。桜木梨奈さんとカトウシンスケさんという、ずっと大好きで信頼している俳優たち。2005年に二人芝居『小鳥の水浴』を見て以来、ぼくにとってずっと特別な存在の里見瑤子さん。時には厳しく、時には頼り甲斐のある批評でぼくの拙いキャリアにお付き合いくださっている切通理作さん。これ以上はない布陣による『マルコとグリーンの海』への船出です!」とつづった。

また桜木は「私にとって今回、作品作りの企画段階から携わるのが初! 80分の二人芝居も初! ひたすら喋り続ける会話劇も初! 単独公演の作品では初の主演舞台! 桜木史上初物尽くし。正直、泡吹き上げちまいそうですが、初めては2度とありませんし、この座組も本作限定なのでぜひ観に来てください!」と呼びかけ、カトウは「私が見ている世界とあなたが見ている世界はもちろん違う、そんな当たり前な事を受け入れて肯定する。そんな演劇ができたらいいなあ。皆様のご来場心よりお待ちしております」とコメント。里見は「記念すべきヒコ・カンパニー第一回公演にご縁をいただき、感謝しています。皆様とブックカフェ20世紀で過ごせる事を楽しみにしています」と語り、切通は「私の中のあなた。あなたの中の私。ひっぺがしたくなるもの。見たくないもの。でもフトしたことで、向き合おうともしていた自分に気付く。『この芝居を通してどんな自分と向き合えるのだろうか』そう私も思った」と伝えた。5人のコメント全文は後掲する。

「マルコとグリーンの海」は連日13時と18時より上演。現在、チケットフォームにて予約を受け付けている。

ヒコ・カンパニー第1回公演「マルコとグリーンの海」

2025年1月11日(土)~13日(月・祝)東京都 ブックカフェ20世紀
チケット価格:学生 2500円 / 一般 3500円 / 障害者割引 1500円
※別途1ドリンク代が必要
※当日券は+500円
※第一種障害者手帳を持っている場合は付き添い1名無料

港岳彦 コメント

高校演劇で初めて台本を書いたとき、参考にテネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」を分析しました。そうか、絵空事でなく、リアルな自分の思いや生活を書いていいのか。自分の家庭のことを赤裸々に書いていいのか。個人的な声をぶつけていいんだ……。お勉強としてシェイクスピアやチェーホフを読んだときには思いもよらなかったことを学びました。
映像作品の脚本を書き始めて20年近く。やっと演劇という原点に戻ります。
桜木梨奈さんとカトウシンスケさんという、ずっと大好きで信頼している俳優たち。2005年に二人芝居「小鳥の水浴」を見て以来、ぼくにとってずっと特別な存在の里見瑤子さん。時には厳しく、時には頼り甲斐のある批評でぼくの拙いキャリアにお付き合いくださっている切通理作さん。
これ以上はない布陣による「マルコとグリーンの海」への船出です!

桜木梨奈 コメント

私にとって今回、作品作りの企画段階から携わるのが初!
80分の二人芝居も初!
ひたすら喋り続ける会話劇も初!
単独公演の作品では初の主演舞台!
桜木史上初物尽くし。
正直、泡吹き上げちまいそうですが、初めては2度とありませんし、この座組も本作限定なのでぜひ観に来てください!
「一緒に演劇やろう!」と奇跡的なご縁で集まった、この大好きなメンバーとお芝居できる喜びを胸に、高純度のエネルギーであなたをお迎えいたします。
とにかく繋がりたい。お芝居を通して、その空間にいる一人ひとりと一瞬でも一つになれたなら…そんな美しい瞬間を夢見ています。

カトウシンスケ コメント

ある日、敬愛する脚本家・港岳彦さんからメールがきた。「舞台に出ませんか?」僕は港さんの言葉を吐き続ける欲望に負け、膨大な台詞量の舞台に出演することになった。

ちょっとした小さな小さな出会いが人生を変え得るほどの出会いになる。そんな事をいろいろ経験してきて今の自分がある。
良いことも悪いことも様々な要素が今の自分を形成している。余計なものもこびりついているであろう。
僕はまれにその自分という存在の輪郭があやふやになる。
自分ってなんだ?人は何をもって自分という輪郭を定義しているのだろう?
常にぶつかるこの問いに、この演劇で真っ向から挑むことになる。

呪いも祝福も余計なもの全部ひっぺがしてひっぺがして、真っ暗な其処に手をそっと伸ばしてみよう。
人間の業を優しく抱き寄せながらも激しく激しく魂を剥き出していく二人の人間の身体が、静かに激しくあなたの存在を肯定する。
私が見ている世界とあなたが見ている世界はもちろん違う、そんな当たり前な事を受け入れて肯定する。
そんな演劇ができたらいいなあ。皆様のご来場心よりお待ちしております。

里見瑤子 コメント

今回の会場のネオ書房企画・神保町のブックカフェ20世紀に、アルバイトで入らせていただく事があります。
切通さんからこの企画のお話をいただいてから、ここが芝居を作って公演する場所にもなりました。
新しく芝居を立ち上げるにあたって、誰もいないお店に立って、深呼吸をした。
見渡せる程の広さであるけれど、一生の間にここにある本の全てを読む事はないのだなと思う。いろいろな人がたくさんいる。
そのいろんな、の、全部を分かる事はできないんだなと腑に落ちた。
その時、自分の体のあたたかさを感じた。体の中を流れる血と体温が周りとの境界線をくっきりとさせている。
私は私でしかないんだと思った。そして他の人もその人自身でいるしかないんだと思ったら、なんだか体が軽くなって、腕を伸ばして手にとってみる勇気がわいてきた。
日常の空間を舞台にする。日常の感覚を見つめながら私たちの今の芝居を作りたいと思っています。記念すべきヒコ・カンパニー第一回公演にご縁をいただき、感謝しています。
皆様とブックカフェ20世紀で過ごせる事を楽しみにしています。

切通理作 コメント

これを書いている時点で港岳彦さんの戯曲は7割方出来ており、初顔合わせの日、出演者の桜木梨奈さん、カトウシンスケさんが2回の読み合わせをした段階。
2回目は舞台となるわが店内を動きながら。
それだけで、具体的に立ち上がってくるものがあった。
私の中のあなた。
あなたの中の私。
ひっぺがしたくなるもの。
見たくないもの。
でもフトしたことで、向き合おうともしていた自分に気付く。
「この芝居を通してどんな自分と向き合えるのだろうか」
そう私も思った。

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読者の反応

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西村大樹(いつまでも武井紗良ちゃん神推し!) @taiki_nishimura

港は、映画学校の同期。彼の書く脚本を、自分は大好きである。学生時代を知っていると、「アイツが?」という気持ちもするが(笑)時間があれば、観に行こうかな。 https://t.co/PrIJv5B5PW

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