映画「
ニールセンは2000年公開の前作「グラディエーター」から約25年ぶりにルッシラを再演。続編への参加について「初めは心配もありました。これだけ世界中に感動を与え、多くの人から愛された作品なので続編を制作するのはリスクがあるんじゃないかと。でも脚本を読んで、素晴らしい物語が築かれるに違いないと確信しました」と撮影前の心境を明かす。気品あふれるルッシラを再び演じるにあたり、変わらず意識したことは「歩き方」だという。ニールセンは「周囲の嫉妬、そして男性優位で女性蔑視の環境から自分を守るため、ルッシラの見た目においては歩き方に気を付けていました。本作ではさらに危険にさらされることもあり、(内面の強さを)よりしっかりと体現することを意識しました」と優雅な佇まいの理由に触れた。
スコットの演出について「自由に演じさせてくれる」とこれまでのインタビューで話してきたニールセンは、本作においても「常に監督がルッシラの立ち位置を物語の中にしっかり作ってくれました」と感謝を示す。そして「ルッシラは物語の鍵となる存在。彼女は前作で息子を守るために遠くへ追いやり、自分は国に残る選択をしました。(帝の娘として)国に対する義務を果たす責任感もあったので。政治的にも賢く、強い人物として描かれていて、面白い役柄になったと思います。それにルッシラという役を通して息子の信頼を勝ち取ることの難しさを痛感しました」と役どころを説明。息子であるルシアスに扮したメスカルについては「撮影が始まってから、彼は私にあえて接してきませんでした」と役作りの様子を伝えた。
日本にはオリヴィエ・アサイヤス監督作「デーモンラヴァー」の撮影やプライベートで訪れたことがあり、今回の来日は4度目だというニールセン。特に日本の思想や美意識に惹かれるそうで、哲学者・九鬼周造の著書「『いき』の構造」に感銘を受けたという話も。「日本文化からは新しい世代に伝統や風習を受け継ぐ大切さを感じます。先祖代々伝えてきた物語を大切にするところは、ルッシラがローマ文化を引き継いでいく責任感を背負っていることにも通じますね」と作品に絡めながら語り、さらにアジア映画については濱口竜介監督作品や、伊丹十三監督・宮本信子主演作「マルサの女」、さらにアンディ・ラウとトニー・レオンが共演した「インファナル・アフェア」がお気に入りだと明かした。
「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」は11月15日より全国でロードショー。
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マルサの女は名作だ https://t.co/QB5LGNJr5t