山下幸輝「マンガ家、堀マモル」で演じたキャラは全部愛おしい、監督3名との撮影回想

映画「マンガ家、堀マモル」の初日舞台挨拶が本日8月30日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの山下幸輝、桃果が登壇。原作と主題歌を担当したseta、監督の武桜子と野田麗未も参加した。

未発表の物語から映画とマンガを制作する“CineComi”プロジェクトの第1弾となる本作。新人賞を獲って以来、描きたいものがなくなって苦悩するマンガ家・堀マモルの前に、3人の幽霊が現れて小さな奇跡が巻き起こるさまが描かれる。山下がマモルを演じ、桃果が幼なじみの佐倉春に扮した。

公開初日を迎えた感想を聞かれた山下は「本当にうれしい限りです」と心境を伝える。脚本はほぼ当て書きだったそうで、山下は「マモルが発する言葉や動きなど、全部が愛おしいんですよ。ほぼ僕自身だったので深く考えずに演じていまして、映画を観たらそれがナチュラルに表現できていてよかったです」と回想。桃果は「この作品は老若男女の皆さんが観終わったあと温かい気持ちになれる作品だと思うので、早くたくさんの方々に観ていただきたい」とアピールした。

setaは当初、春を主役にした物語を書いていたと告白し「その話のあるパートにいたのが、スランプ中のマンガ家であるマモルでした。マモルを山下さんが演じてくださることが決まり、主役にしようとプロットを書き直しました」と告白。そして「山下さんご本人はすごくかっこいいけど、マモルは抜けていて若干ダサかわいいキャラクター。なので、そのかわいらしい部分を膨らませました」と振り返る。桃果は初共演となる山下の印象を「行動がそのままマモルなんですよね（笑）。現場でも木の棒で絵を描いていたり、一人遊びをされていて。そのマイペースさもマモルらしいな、と」と述べた。

本作で監督を務めたのは、榊原有佑を含む3人。「脚本を作っているときは、短編の連続ドラマを作る予定だった」と明かす武は「複数人の監督がいると、それぞれの信念がずれることで作品作りが難しくなってしまう部分もあると思います。今回は主人公がマンガ家なので、“作り手”という共通点がありました。“創作する意義”というものに焦点を当てる形なら、監督全員で同じ方向を向いて話を掘り下げていけそうだね、と今の形になりました」と語る。野田は「3人全員が毎日現場に行って、3人で1つのモニターを見つつ、3人全員で作り上げた作品です」と話すと、山下は「意見がバラバラになるというより、3人いてくださる分どんどん盛り上がっていく感覚がありました」と、桃果は「すごく安心感がありました。3人分の意見も聞けるし、頼りにできるような温かさがありました」とほほえんだ。

最後に山下は「寒い時期にみんなでがんばって撮影して、スタッフさんやこの映画からたくさんの温かさを受け取りました。マモルの1つひとつの言葉や、かわいいところもまっすぐなところも全部受け止めてほしいと思います」と挨拶し、イベントは終了した。

「マンガ家、堀マモル」は全国で公開中。

映画「マンガ家、堀マモル」予告編