映画「
巨大な閘門(こうもん)“尼ロック”によって水害から守られている街・兵庫県尼崎市を舞台にした本作は、父の再婚で騒動が巻き起こる“ご実家ムービー”。理不尽なリストラに遭い実家でニートのような生活を送る39歳の近松優子を江口、父・竜太郎の再婚相手で20歳の早希を中条、65歳の竜太郎を鶴瓶が演じた。
約1カ月、関西で行われた撮影を振り返った江口は「関西で生まれ育ったので、1カ月も滞在して仕事ができたのがうれしかったです。それだけで、台本を読む前に参加しようと思ったくらい。尼崎は初めて行ったんですが、住みやすくてとてもいい街。中古の炊飯器を買ってホテルでご飯を炊いてました」とすっかりなじんだ様子。中条は「大阪が地元なので、撮影現場には実家から通っていました。お母さんが朝ごはんを作ってくれたり、台本の読み合わせを一緒にしてくれたり。こういった時間を過ごしながら、撮影できることはなかないので、幸せな現場やなと。それに、こんなにがっつり関西弁でお芝居することはこれまでもなかったし、これからもないと思います」とうれしそうに語る。
江口と中条からのラブコールを受けて参加したという鶴瓶は「2人がやるというので僕もぜひと」「まったく気を使わなかった」と自然体でいられたと話した。また鶴瓶が「撮影では、ほぼ初対面やったのに中条から耳にフーフーと息を吹きかけられました」と明かすと、中条は笑いながら「監督から『夫婦っぽく仲良く歩いてほしい』と言われたので、距離を縮めるために“耳フーフー”をしたんです!」と意図を説明する。「尼崎を舞台にした理由は?」と聞かれた中村は「小学校6年まで尼崎で育ったんですが、6年くらい前に関西に大きな台風が来たときに、“尼ロック”のことを初めて知ったんです。尼崎は3分の1くらいが海抜0mの地域なので、“尼ロック”がなかったらすぐ水浸しになる。でもそこに住んでいる人にも知られていなくて、隠れた英雄的な存在。それが本作の中の竜太郎さんなんだと考えています」と述べた。
共演の感想を尋ねられた中条が「2人とも個性が強い」「負けないようにがんばろうと思っていましたが、江口さんは自然体な姿を見せてくれましたし、お二人ともこんな私を見守ってくれて……」と言うと、鶴瓶から「本当に(江口と中条の)2人はいいですよ。良さを引き出し合ってる」とたたえる言葉が飛ぶ。江口も「この2人と一緒じゃなかったら、あんなに自然な感じにできなかったと思います。感謝しています」と信頼をのぞかせつつ「あやみちゃんとは、空き時間に近所の神社にお参りに行ったり、食堂で食事したりと、あの街で一緒に過ごしたのが楽しかったです。言葉で相談しなくても、芝居を何回かやっていく中でお互いに寄り添ってやっていけた感じがありました」と回想した。続けて鶴瓶が江口を褒めていると、中条が「でも鶴瓶さんはずっと昼寝してたじゃないですか、台本も覚えんと(笑)」と暴露する一幕も。鶴瓶が反論する中、江口は「鶴瓶さんはほんの何十分かで覚えちゃうんですよ」と言い、中条も「ずるい」とほほえんだ。
試写の日についてもトークが弾む。中条は「すごくいい映画だと思って涙を堪えて試写室を出たんです。それで監督を見たら、監督がどーっと泣いて。それで私もどーっと泣いてしまいました」と心温まるエピソードを披露。鶴瓶も「すべてのキャストがうまいこと生きてますよ」と力を込めて語り、最後の挨拶では「本当に温かい、今必要な映画やと思います。人や家族の愛情、思いやりといったものが生きている。(近松家は)いい家族ですよ」とアピールしてイベントを締めた。
「あまろっく」は4月12日より兵庫県で先行上映され、19日に新宿ピカデリーほかにて全国公開される。また、このたびYouTubeではユニコーンによる主題歌「アルカセ」のMVが公開に。MVは「あまろっく」アナザーストーリーとして制作された。
映画「あまろっく」予告編
映画「あまろっく」主題歌「アルカセ」MV
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緋村 月 @himuralight
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