映画「
映画監督デビューの夢を直前で奪われてしまった花子と空気の読めない男・正夫が運命的な出会いを果たし、10年以上音信不通だった花子の家族を巻き込んで、理不尽な社会へ反撃するさまを描く本作。花子を松岡、正夫を窪田が演じ、花子の父親役で佐藤、花子の兄役で池松と若葉が出演している。石井は「コロナ禍を経験して、映画館にお客さんが来てくれるのが当たり前じゃないと痛感した。こうしてたくさんの方に観に来ていただいて本当にうれしいです」と感慨深げに挨拶した。
MCから本作への熱い感想がいくつか紹介されると、松岡は「マイノリティの話かと思いきや多くの人が共感してくれるってことは、1人じゃないんだなって思いますよね」と笑顔で述べる。窪田は「石井組常連の若葉くんや池松くんが土台を築いてくれたから、僕は茉優ちゃんと思いっきり演じさせてもらったなと思いますし、その作品を観てもらえて、レスポンスがあるっていうのは純粋にうれしい」と語った。
「この映画がどういう作品なのか一言で表すのが難しかった」と言う石井は、先日佐藤と飲みに行った際に答えが出たと明かす。しかし佐藤は「お酒飲んだときに言ったこと覚えていないですよ」と困り顔。石井は、佐藤の「これが本当のエンタメだ」という言葉を紹介しつつ「けっこう無茶して作った映画だったんです。脚本を書いてから2カ月で撮影したり。そういった環境の中で一線級の俳優とスタッフがそろって、全員で楽しみ抜いた。その化学反応が特別なエネルギーを生んだ、ということなんじゃないかと僕は解釈しました」と説明した。
劇中の“推しキャラ”に話題が及ぶと、池松演じる長男・誠一の名前を挙げた若葉。実際の家族でも兄がいる若葉は「自分の兄弟とリンクする情けない部分があって、愛らしかったです」と振り返る。3人の妹・弟を持つ長男である池松も「俳優って、家族を演じるときにそれぞれの親や兄弟関係を無自覚で持ち込むと思うんですね。自分の妹、父親、弟のことを考えましたね」と共感していた。
佐藤が「今度やってみたいのはMEGUMIちゃんの役。かなり嫌な感じでやるよ」と花子を振り回す映画プロデューサーを挙げると、松岡は「浩市さんが演じるなら戦えないかも、私。きつい……」とつらそうにつぶやく。窪田は正夫の家に居候中の落合と回答し、「(演じた仲野)太賀と一緒に撮影したのは1日だけだったんですけど、彼の存在は正夫に変化を与えてくれる。正夫の側面を会話の中で引き出してもらったなと思いました」と伝えた。
好きなシーンについて聞かれた松岡は「私が水を吹くシーンがあるんですけど、監督から『霧吹きじゃなくて“マーライオン”でいってほしい』とリクエストされて練習しました」と述懐。石井が「すごかったです。一発で決めましたもんね」、同シーンで共演した窪田が「めっちゃきれいだった。いいアーチが描けてた」と称賛すると、松岡は「美しい水吹きデビューができました」と満足げだった。
最後に石井は「昨日、(キャストの)皆さんがこの映画のために受けたインタビューを全部読んで、愛情を持って真摯に作品に向き合っていることが改めてわかって泣きそうになったんです。そういう方々が思いを込めたうえで遊びきったので、そんじょそこらの作品では観られない躍動感になっています」と自信を見せ、イベントの幕を引いた。
「愛にイナズマ」は全国で公開中。
映画「愛にイナズマ」予告編
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