映画「
本作は、美しくも奇妙な6人の女たちが暮らす森で、2人の男が監禁されるスリラー。石橋は「脚本を書き始めて5年が経ちました。紆余曲折ありましたが、奇跡的に完成した作品です」と思い入れたっぷりに伝え、「エンタメ映画ではありますが、自然との共生が核にある作品。この映画が自然との共生を考えるきっかけになれば」と願いを込める。
「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」以来の共演となった竹野内と山田が、森に迷い込んだ萱島と宇和島役で出演。竹野内が「10年以上ぶりの共演なんですが、山田さんは当時から同じ世代の役者の中でもちょっとね……」としばらく言い淀んでから「さらに研ぎ澄まされていて、見ていて非常に面白かったです」とたたえると、山田はすかさず「めちゃくちゃ言葉を選ぶじゃないですか!」とツッコミを入れ、会場の笑いを誘う。続けて山田は「竹野内さんが森の中で動植物を愛でている姿に撮影中は癒やされてました。苔とか愛おしそうに見ていて。少年のように『蛇つかまえたよー!』って」と振り返った。そんな2人をキャスティングした理由を問われた石橋は「対照的な役柄。2人ならバッチリ合うだろうと思ったし、実際もそうでした。本当に頼んでよかったです」と信頼を明かす。
暴力的な宇和島を演じた山田は「泊まり込みで撮影するときは、場になじむようにそこに居続けるんです。でも宇和島は欲望剥き出しの役。自分はどうしても根が真面目なんで、あえて町に出て、酒を飲んで、ここが俺の帰る場所なんだと言い聞かせていました」と述べ、「そうやって追い込むと疲弊する。家からパジャマと枕を持って、アロマを焚いてリラックスしていました。根が真面目なんで……」と言葉を重ね、会場を笑わせた。
京都・美山町での撮影を思い返すのは“濡れる女”役のヤマダ。「メイクさんに頭皮を揉まれて『動くわ! 竹野内さんは1mmも動かへんけど、美山町に入ったら動くねん!』って言っていて。自然の力って素晴らしいと思いました」と裏話を明かすと、竹野内は「本当なんですよ! 頭皮がやわらかくなって。でも東京に戻ったらまた硬くなって……(笑)」と残念がる。“牙を剥く女”役の萩原はオーディションで役を射止めたことを紹介しつつ「試しにプロデューサーと戦ってくれる?って言われて。シャドーボクシングみたいに戦ったら、“牙を剥く女”に決まりました」と、“見つめる女”役の桃果は「人間らしい感情を排除しなければいけないんですが、山田さんが演じる宇和島が悪すぎて! 感情を抑えるのに必死でした」と回想した。また“包み込む女”のほか、萱島の歳下の恋人・かすみを演じた武田は「竹野内さんにお会いすると歳の差を感じなくて。受け入れてくれる感じがして、役に入れました」と続く。
最後に竹野内は「人間社会だけでなく、生命そのものに目を向けようとしている映画。感じ方はさまざまだと思います。議論することに意味がある。楽しんでいただけたら」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「唄う六人の女」は全国で公開中。
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映画「唄う六人の女」主題歌版予告
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矢口晶一 @tamagawajyousui
「唄う六人の女」竹野内豊が山田孝之を癒やす、少年のように「蛇つかまえたよー!」(写真12枚) https://t.co/dukeWanDZe