香港におけるホームレス排除問題を描いた「濁水漂流(原題)」が「
本作は高架下のホームレスが強制退去させられ、政府への賠償請求の裁判を起こし、社会問題にまで発展した2012年の実話をもとにした作品。主人公は刑務所を出所し、再び深水埗(シャムスイポー / しんすいほ)の高架下で暮らし始めるホームレスのファイだ。ある晩、事前通告なしにやってきた食物環境衛生署によって、ファイと仲間たちは住処や身分証明書など何もかも失ってしまう。ソーシャルワーカーの助けを借り、政府に賠償を求める裁判を起こすが、和解金を前に意見が割れ、彼らは散り散りになっていく。
「エグザイル/絆」で知られる
監督を務めたのは、2018年の長編デビュー作「トレイシー」が第31回東京国際映画祭のアジアの未来部門で上映された
ジュン・リーは大学生の頃に初めて深水埗のホームレスに取材したことを振り返りながら「僕は外部の要因によって激変したその地域の変化を、あらゆる善意と敵意も含めて書き留めることにした」「僕が関心を持っているのは、彼らの『現在』の生活と状態だ。彼らがどこの出身であれ、過去に何をしてきたかには関係なく、自分の尊厳のために戦う権利があり、人間として扱われ、尊重されるべきだと信じている」と語っている。
ジュン・リー コメント
深水埗(シャムスイポー)のホームレスを初めて取材したのは、まだ大学生頃だった。当時、彼らは翡翠市場の前で野宿していた。彼らと同じテーブルに座り語り合い、彼らが今まで癒されたことのない心の傷、忘れられない痛みを抱えていることを知った。
その後、僕は一時香港を離れていたが、再び彼の元を訪ね時、木造の家はさらに密集して、囲いはどんどん高くなり、様々な人々が行き来していた。部外者の僕にとって、彼らとの接触はますます難しくなってしまっていた。僕は外部の要因によって激変したその地域の変化を、あらゆる善意と敵意も含めて書き留めることにした。
多くの人は僕がこの映画を撮ることを知って、聞いてくる。彼らがなぜ路上で生活することになったか?ホームレスたちにはどんな過去があったか?と。
この映画について、僕はそうした質問に答える必要がないと思う。なぜなら僕は彼らを非難したり、同情したりするつもりはないからだ。僕が関心を持っているのは、彼らの「現在」の生活と状態だ。彼らがどこの出身であれ、過去に何をしてきたかには関係なく、自分の尊厳のために戦う権利があり、人間として扱われ、尊重されるべきだと信じている。
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うずらヒヨコ🇯🇵JPN🐤鵪鶉小雞 @uzurahiyoko
香港映画祭で最多動員を記録、ホームレス排除問題描く「香港の流れ者たち」が劇場公開
「濁水漂流(原題)」が12月16日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。「少年たちの時代革命」「理大囲城」「星くずの片隅で」を紹介してきたcinema driftersと大福が共同配給。 https://t.co/KEY2L4JpzQ