移住してきた夫婦と村人が対立…東京国際映画祭3冠のスリラー「理想郷」11月公開

第35回東京国際映画祭で東京グランプリ / 東京都知事賞、最優秀監督賞、最優秀男優賞の3冠に輝いたスペイン・フランス合作映画「ザ・ビースト」が「理想郷」のタイトルで11月3日より全国で順次公開。ティザービジュアルが到着した。

「おもかげ」のロドリゴ・ソロゴイェンが監督を務めた本作は、人間の暗部に潜む、独りよがりな思考や凶暴性に迫る心理スリラー。物語のベースとなったのは、2010年に発覚しスペイン全土に激震が走った実際の事件だ。フランス人夫婦アントワーヌとオルガはスローライフに夢を抱き、緑豊かな山岳地帯スペイン・ガリシア地方の小さな村に移住する。しかし、地元で生まれ育った村人たちは慢性的な貧困問題を抱えており、穏やかとは言えない生活を送っていた。隣人兄弟シャンとロレンソは新参者である夫婦をあからさまに歓迎しておらず、彼らに嫌がらせをするように。そして、兄弟の攻撃はエスカレートし、嫌がらせの範疇を超えていく。そんな中、村にとっては金銭的利益となる風力発電のプロジェクトをめぐり、村人と夫婦の意見が対立。敵対関係が激化していく。

夫アントワーヌを「ジュリアン」「悪なき殺人」「苦い涙」などで知られるドゥニ・メノーシェが演じ、妻オルガ役で「私は確信する」などのマリナ・フォイスが出演。ルイス・サエラ、ディエゴ・アニード、マリー・コロンらもキャストに名を連ねた。本作は、スペインの映画賞・第37回ゴヤ賞で最優秀映画賞、最優秀監督賞など主要9部門を受賞し、スペインで2022年に公開された独立映画の興行収入1位を獲得している。

「理想郷」は東京・Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国で順次公開。イザベル・ペーニャとソロゴイェンが脚本を手がけた。