「スイート・マイホーム」窪田正孝と蓮佛美沙子、子役との“エンドレスにんじん”回想

「スイート・マイホーム」のジャパンプレミア舞台挨拶が本日8月3日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催され、キャストの窪田正孝、蓮佛美沙子、奈緒、磯村アメリ、監督の齊藤工が登壇した。

神津凛子の小説をもとにした本作では、理想のマイホームを手に入れた一家の幸福が、差出人不明の脅迫メール、関係者の変死事件などによっておびやかされていくさまが描かれる。長野に住むスポーツインストラクター・清沢賢二を窪田、賢二の妻ひとみを蓮佛、2人の娘サチを磯村が演じ、賢二たちの新居を担当する住宅会社社員・本田に奈緒が扮した。

窪田は「工さんは映画への知識や愛が誰よりも強い方。共演した回数は一番多いと思います。そんな工さんが描く世界で動けるのは本当に貴重なこと。20代から一緒にやらせてもらって、ちょっと気恥ずかしい部分もあったんですが、そこもひっくるめてやらせていただきました」と述懐。対する齊藤は「実写化するなら、窪田さんに主人公をやってもらいたいというのが第一条件でした。原作の世界に太刀打ちできるのは、生身の人間の表情や表現力。圧倒的な役者たちがこの映画に集まってくださいました」とキャスティングに胸を張った。

蓮佛が「私、正（まさ）さんのお芝居がすごく好きだったので」と切り出すと、窪田は「なんてこった！ うれしい！」と喜びの悲鳴。続けて蓮佛は「本当に光栄でしたし、正さんの現場の佇まいがいつも穏やかで、そういう空気に引っ張ってもらい安心して役を演じられました。アメリとはおままごとをしたね」と言って磯村に視線を送る。MCから「両親役の2人はどうだった？」と聞かれた磯村が「（一緒に遊んで）楽しかった！ 肩車をしてくれたりしました」と回答すると、窪田は「日活スタジオの外をいっぱい走ったね。おままごとではいっぱい（おもちゃの）にんじんを切ったね」と笑い、蓮佛も「エンドレスにんじんだったね！」と楽しそうに話した。また「監督はどうでしたか？」という質問には、磯村が「優しい……監督。かわいい、かっこいい」と褒めを連発。なぜか齊藤も磯村のタイミングに合わせて「優しい……監督」と口にし、会場の笑いを誘った。

奈緒は「齊藤組に入りたかったので、参加できてうれしいです」と喜びをにじませ「冬の撮影だったんですが、途中から監督がかわいいニット帽をかぶり出して。現場に監督と後ろ姿が似ている助監督がいたんですが、みんなが助監督と間違えて監督によく声を掛けてしまってました。そのたびに『あ、監督のほうか……』となって。その状況に監督が耐えられそうにないということで、（区別が付きやすい）帽子をかぶり始めたそうです」と笑いながら裏話を披露する。

また上海国際映画祭での上映について齊藤は「中国のお客さんは感情がストレート。アトラクションを味わっているかのように悲鳴が起こって、おびえてくれました。思わぬところで笑いが起きたりもした。この映画がどういうものか教えていただけました」と振り返った。

映画にちなんだ「我が家の秘密は？」というフリップトークも展開。磯村は「家で飼っているカエルのうち1匹が逃げ出しました。家のどこかにカエルがいるかも」、蓮佛は「お年玉の代わりに毎年本をもらっていた」、奈緒は「犬の卵型のおもちゃが何個も家の中でなくなっている。引っ越しのときにたくさん出てくると思う」、窪田は「心当たりがないのに、なぜかちょっとだけアリが家の中に出てくる」と答えた。齊藤は「パン！という謎の破裂音」とホラーめいた回答をしつつ「家で酵素ジュースを作っているんですが、発酵する際に中身が膨張して、瓶を弾く音が鳴っているんです。瓶のふたを開けるほどって相当ですよね」と朗らかに説明していた。

最後に窪田は「言葉で先入観を与えたくないんですが、一番怖いのは人間なんだということがまざまざと描かれている作品です」とアピール。齊藤は「コロナ前から準備を始めたんですが、幸せそうに見えるものでも1枚めくったらその中には何があるんだろうと考えた数年でした。映画館という“館”で『スイート・マイホーム』という”家”を楽しんで、作品のどこかに自分自身を見つけていただけたら」と伝えてイベントの幕を引いた。

「スイート・マイホーム」は9月1日に全国で公開。