ドイツの映画作家
ニュー・ジャーマン・シネマの時代から精力的に作品を発表しながら、日本では紹介される機会が少なかったオッティンガー。2020年のベルリン国際映画祭ではベルリナーレカメラ(功労賞)を受賞し、ヨーロッパを中心に大規模なレトロスペクティブが開催されるなど、再評価の機運が高まっている。このたび「ベルリン三部作」と呼ばれる「
ドイツ在住の小説家・詩人である多和田葉子はベルリナーレカメラの祝辞で「オッティンガーはエゴイスティックな自然や予測不可能な人間と向き合う人です。彼女のつける演出は控え目で、[監督と演者の]両者の間には相互に対する大きな信頼と好奇心があります。こうして撮影された膨大な素材は、後に編集室で壮大な作品へと組み上げられるのです。ダンテは『神曲(神聖喜劇)』を、バルザックは『人間喜劇』を書きました。オッティンガーの映画は、『人間と神々の喜劇』と呼べるのではないでしょうか?」と語っていた。この祝辞はYouTubeで公開中の予告にも収められている。
ポスターは「アル中女の肖像」のワンシーンをオッティンガーが撮影したモノクロのスチルをベースにデザインされた。ベルリンの壁を背後に、主人公の「彼女」を演じるタベア・ブルーメンシャインが酒を飲む姿と、彼女と“飲酒観光”の旅をともにする「動物園の酔っぱらい女」を演じるルッツェの姿が映し出されている。映画の宣伝美術を多数手がける成瀬慧がデザインを担当した。
プンクテが配給する「ベルリン三部作」は東京・ユーロスペースほか全国で順次ロードショー。
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人間と神々の喜劇「ベルリン三部作」多和田葉子の祝辞も収めた予告解禁
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