コロナ禍での最初の緊急事態宣言が発出された2020年4月、三島が自身の誕生日の明け方にどこからか聞こえてきたという人の泣き声に着想を得た本作。「明け方に女の泣き声がどこからか聞こえてくる」というシチュエーションをすべての出演者共通の出来事として撮影された。8分にも及ぶ声を出演者がイヤホンで聞き、自然と湧き上がってくる感情の動きやリアクションを記録。泣き声は
松本は「三島監督のオーダーは『地球の泣き声が欲しい』でした。次元が違いました」と振り返り、「最初に私が発した個人的なひとりの女の泣き声から、地球の泣き声というものに至るまでを三島監督の発するその優しく深く温かく鋭い声(演出)だけに集中する。あの時その声だけが私の世界でした」と述べている。
三島は「松本さんが『寝転びながらやっていいですか』と提案してくれて、地面に這いつくばりながら慟哭に近い悲しみや怒り、誰かが横にいてくれた時の泣き方までの長いプロセスを見事にやって下さいました。松本さんの泣き声が出演者20人の役者たちにどのような感情を生んだのか、ぜひスクリーンでご覧ください」と語った。
「東京組曲2020」は5月13日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次ロードショー。なお本作は4月27日から5月6日まで韓国で行われる第24回全州国際映画祭に正式出品される。出演者として
※宮崎優里の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
松本まりか コメント
三島監督のオーダーは「地球の泣き声が欲しい」でした。次元が違いました。もう私は空っぽになるしかないと思いました。空っぽのこの身体を預けて、三島監督の求める声まで連れて行ってもらう。
最初に私が発した個人的なひとりの女の泣き声から、地球の泣き声というものに至るまでを三島監督の発するその優しく深く温かく鋭い声(演出)だけに集中する。あの時その声だけが私の世界でした。情報に溢れ、何が正しく何を信じればいいのかわからなくなるこの世の中で、何より演技をする上で、この体験が教えてくれたものは計り知れない。
三島有紀子 コメント
泣き声をやってもらうとしたら松本さんしかいないだろう、きっと彼女だったらこの趣旨を理解してくれるはずと思いお願いしました。「誰かの声ではなくみんなの声で、そこには様々な感情があるはず。単に悲しいだけではなく悔しい人もいるだろうし、肉親を亡くした人や仕事がなくなった人、会いたい人に会えない人、政府のやり方に対する怒りを持っている人......そうした多様な感情がプロセスの中で見えてきてほしい。そして、その泣き声を聞いたときにみんなから何が生まれるかを引き出したい」というお話をしました。
それを聞いた松本さんが「寝転びながらやっていいですか」と提案してくれて、地面に這いつくばりながら慟哭に近い悲しみや怒り、誰かが横にいてくれた時の泣き方までの長いプロセスを見事にやって下さいました。松本さんの泣き声が出演者20人の役者たちにどのような感情を生んだのか、ぜひスクリーンでご覧ください。
松本まりかの映画作品
リンク
ルートヴィヒ白鳥王 @lohengrin_lud
松本まりかに“地球の泣き声”をオーダー、三島有紀子の「東京組曲2020」予告(コメントあり)
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