「エブエブ」アカデミー賞前哨戦の全米プロデューサー組合賞を制す

全米プロデューサー組合賞（PGA）が現地時間2月25日に発表。A24製作、ミシェル・ヨー主演の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が劇場映画賞（ダリル・F・ザナック賞）を受賞した。

映画・テレビ業界で活躍するプロデューサーの功績をたたえる同賞。劇場映画賞は、過去33回の受賞作のうち23の作品が同年のオスカーを受賞していることから、アカデミー賞作品賞の前哨戦と見なされている。ここ2年の結果も「ノマドランド」「コーダ あいのうた」と受賞作が重なった。

3月3日に日本公開を控える「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」は、倒産寸前のコインランドリーを経営するエヴリンが、世界と家族を救うため並行世界（マルチバース）にはびこる悪に立ち向かう物語。「スイス・アーミー・マン」で知られるダニエル・クワンとダニエル・シャイナートのコンビが監督を務めた。1月には第28回放送映画批評家協会賞で作品賞を獲得。アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞など最多となる10部門11ノミネートを果たしている。

このほか劇場アニメーション賞はNetflix映画「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」が獲得。テレビ放送やストリーミング配信のみの映画を対象にした部門では、ダニエル・ラドクリフが主演を務めた「Weird: The Al Yankovic Story（原題）」が受賞した。同作はパロディ音楽家として知られるアル・ヤンコビックの伝記映画で、動画配信サービスのThe Roku Channelで無料配信されている。ドキュメンタリー映画賞には、プーチン政権に敵視された弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイを追ったドキュメンタリー「ナワリヌイ」が選出。競争形式ではない特別賞では、トム・クルーズが劇場用映画における優れた作品を手がけたプロデューサーまたは製作チームを表彰するデヴィッド・O・セルズニック賞に選ばれている。

なお第95回アカデミー賞授賞式は日本時間3月13日にアメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアターで開催。WOWOWプライムおよびWOWOWオンデマンドで放送・配信される。

全米プロデューサー組合賞 映画部門受賞結果

劇場映画賞（ダリル・F・ザナック賞）

「アバター：ウェイ・オブ・ウォーター」
「イニシェリン島の精霊」
「ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー」
「エルヴィス」
★「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
「フェイブルマンズ」
「ナイブズ・アウト：グラスオニオン」
「TAR/ター」
「トップガン マーヴェリック」
「ザ・ホエール」

劇場アニメーション賞

★「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」
「Marcel the Shell with Shoes On（原題）」
「ミニオンズ フィーバー」
「長ぐつをはいたネコと9つの命」
「私ときどきレッサーパンダ」

放送・配信映画賞

「ファイアー・アイランド」
「ホーカスポーカス 2」
「ピノキオ」
「プレデター：ザ・プレイ」
★「Weird: The Al Yankovic Story」

ドキュメンタリー映画賞

「All That Breathes（原題）」
「クロティルダの子孫たち －最後の奴隷船を探して」
「ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦」
★「ナワリヌイ」
「Nothing Compares（原題）」
「米陸軍グリーンベレー 2021」
「テリトリー アマゾンの攻防」

※★が受賞作