「ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ」の
本作は、友人の誘いで知らない町・十函(とばこ)へアルバイトの面接に訪れたサカグチが主人公のロードムービー。サカグチは理不尽な仕事を断って帰宅しようとするものの、すんなりと帰れず、町をさまよい出会いと別れを繰り返す。
本作の製作を手がけたのは、東京・多摩市で映画上映を続けるカフェバー・キノコヤ。かつて鋳物工業で栄えた埼玉・川口市を中心に撮影が行われ、
カワシマ、村上、新谷から届いたコメントは下記の通り。このたびメインビジュアルと場面写真も到着した。
「にわのすなば GARDEN SANDBOX」は、東京・ポレポレ東中野でレイトショー上映される。
カワシママリノ コメント
野良猫のように生きていた私は行き先など何も決めていなくて…言ってしまえば迷子だったのかな、けれどもその状況をどこか楽しんでいたように思います。そんなある日、黒川幸則監督と出会いました。川のほとりで杯を交わし、朝方まで町を遊歩。互いに手を振りそれぞれの道へ。今思うと私はすでに「にわのすなば」にいたのかもしれません。再び歩みを進めているうちにキノコヤに辿り着いていました。あなたはここにいていいのよ、と言わんばかりの包容力、私は安心しきってしまいました。ここにいたいな、大好きなみんなと生きたいな。そんな感覚は生まれて初めてでした。あたたかい気持ちを抱いているうちにキノコヤ映画の撮影現場にいて更にはカメラの前に立っていました。そして今では私演じるサカグチがスクリーンで生き続けています。愛すべき人々と「にわのすなば」で。
村上由規乃 コメント
黒川監督をはじめ、この作品を共に作った全ての人たちと公開を迎えられることを幸せに思います。公開を前にして、いよいよこの作品を観ていただける喜びとともに、真夏のような日差しの照りつける“十函”の町を思い出します。思い浮かべた風景は、果たして一人で見たのか、二人で見たのか…。あやふやなまま、自分の中にだけ存在する見慣れた風景のようにも思えます。
そこに住む人にしか見えない一角と、初めて訪れた人だけに見える一角は、互いにその虚空を埋めあって別世界を生み出しているのかもしれません。
十函の町を誰かが歩く移ろいの中にそんなひとつの風景を見つけていただけたら嬉しいです。
新谷和輝 コメント
行きつけのお店で「映画に出ませんか」と誘われて、二つ返事で「ぜひ」と応えたら、思ってもみないところを歩いていました。みんな手探りのなかで、役者としてほとんど素人の私に不安はありましたが、このキャストやスタッフ、映画と一緒なら身を任せて迷ってもいい、という信頼のほうが大切でした。明確な筋書きやメッセージなどはないけれど、この映画に関わった人や場所そのものの経験が、作中の存在として響きあい、それぞれのおぼろげな地図を幾層にも重ねていく…まさにスタンド・アローン・コンプレックス(孤立しながら集団になる)映画だと思います。彼ら(私たち)が歩む哀しくも楽しい時間を、少しのあいだ共にしてもらえると嬉しいです。
多摩市ニュース @tamacitynews
【多摩市ニュース】カワシママリノが知らない町をさまよう、ロードムービー「にわのすなば」公開日決定(コメントあり) - 映画ナタリー / https://t.co/XUEFwXklex