「奇想天外映画祭」で話題を呼んだ「
映画評論家の柳下毅一郎は「『リキッド・スカイ』は1980年代ニューヨーク・インディーズの忘れられた秘宝だ。時代の刻印をもっとも濃密に刻みながら、それゆえにタイムカプセルに封じこまれたカルト映画となった。今、数十年ぶりに封印を解かれ、瞬間冷凍された1982年のニューヨークが甦ったのである」と語っている。
柳下毅一郎(映画評論家)コメント
空にUFO、地にはテクノ。「リキッド・スカイ」は1980年代ニューヨーク・インディーズの忘れられた秘宝だ。時代の刻印をもっとも濃密に刻みながら、それゆえにタイムカプセルに封じこまれたカルト映画となった。今、数十年ぶりに封印を解かれ、瞬間冷凍された1982年のニューヨークが甦ったのである。
宇宙の彼方から快楽物質を求めて地球にやってきた宇宙人。彼らを迎えるのは80sのニューヨーカーだ。UFOは運命的にモデルのマーガレットが住む家の真上にやってくる。マーガレット=アン・カーライルこそ、この時代の美学を体現した不感症の快楽主義者であるからだ。
この映画の顔となったアン・カーライルは「デヴィッド・ボウイよりもアンドロギュノス(両性具有的)だ」と言われる中性的な美に輝く。アン・カーライルはマーガレットだけではなくコカイン中毒の男性ジミーの役をも性別を超えた二役で演じ、自分で自分とセックスする。文字通りの自涜行為というわけだ。男からも女からも欲望されるセクシャルなヒロインだが、グラマラスな蠱惑的美女ではない。むしろ中性的な、ほとんど性を嫌悪しているかのようにも見えるいつも不機嫌な仏頂面である。だが、それこそが80sの理想形ではなかったか。肉欲なきセックス。身体なきダンス。アン・カーライルはそれを体現したのである。
新文芸坐 @shin_bungeiza
男女2役を演じるアン・カーライルは「デヴィッド・ボウイよりもアンドロギュノス(両性具有的)だ」と言われる中性的な美に輝く。
当館では12/23(金)20:15~、一夜のみの上映!
⭐️チケット・詳細
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