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8歳の少女ネリーを主人公とする本作。祖母が他界し、悲しみに耐えかねた母が姿を消した日、ネリーはかつて母が遊んだ森を探索するうちに自分と同じ歳の少女と出会う。母の名前“マリオン”を名乗る少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった。双子の姉妹である
シアマは新型コロナウイルスによるフランスのロックダウンが終わった頃、本作の脚本を本格的に書き始めたそうで「今こそ、この映画を作る意味がある。早急に進めなければならないと感じました」と言い、「近年、子供たちは大きな危機とたくさんの苦難に直面しています。彼らは世の中に広がる不満を聞き続けているのです。だから私たち大人は、子供たちを輪に入れ、彼らに物語を聞かせ、子供たちと協力することが重要だと思ったのです」と振り返った。
10代の頃から
本作を鑑賞した細田は「彼女の映画から、僕も新しい映画へのインスピレーションを受けたいと思います。映画同士も互いに影響し合い、作品から作品へ、大事なことをリレーのように伝えていくものなのかもしれません」などとコメントしている。それを受けたシアマは「私は映画から映画、監督から監督へと継承されていくのは、手法やストーリーではなく、“精神”の部分だと思っています。インスピレーションという息吹を受けて、そこから新しいものが芽生えてくるんです。例えば、映画同士の友情が生まれるような感覚もその1つです。映画監督同士でそういうものが生まれるのは本当に素晴らしいことで、今、細田監督と手をついだような心強い気持ちでいられ、感動しています」と思いを口にする。
またシアマは「子供も大人も自分の両親について考えるきっかけになるはずです。異なる世代の間に新しい流れをもたらし、あらゆる世代に共通の感動を与えることによって、人々を結びつける作品になるように作りました」と語り、「劇場を出るとき、人々の互いを見る目が変わればいいなと願っています」と期待を込めた。
「秘密の森の、その向こう」は9月23日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国で順次公開。
ビニールタッキー @vinyl_tackey
セリーヌ・シアマ監督が『秘密の森の、その向こう』について「『おおかみこどもの雨と雪』から影響を受けた」と言っているけど、あの映画を女性視点から(特に母と娘の関係について)捉えたらどうなるかという映画になっていたと思う。そういう点でとても良かった。https://t.co/Khmb6iRBkG