戦国時代を舞台に、武将・織田信長とその正妻・濃姫の知られざる物語を描く本作。政略結婚で出会った2人が、いがみ合いながらも天下統一の夢をともに抱き、戦国時代を駆け抜けていく。信長役の木村と濃姫役の綾瀬は初の夫婦役。2021年9月から2022年1月まで京都太秦を中心に撮影された。2023年1月27日に全国で公開される。
会見の冒頭には東映代表取締役社長・手塚治が登壇し、本作を「『LEGEND』は信長、『BUTTERFLY」は濃姫(帰蝶)のこと。2人の愛の物語でございます」と紹介。「ボーイミーツガールの側面と、政略結婚のもどかしさがある夫婦愛、そして圧倒的な映像美で魅せる歴史ドラマでもあります。総事業費は20億円。稟議に判をつくとき、少し手が震えました(笑)。東映が本気であると申し上げておきたい」と力を込めた。
木村は「歴史上には魅力のある人物がたくさんいらっしゃいますが、自分は特に織田信長さんに惹かれる部分が多い」と切り出し、木村家と織田家の家紋が同じであることを明かす。「幼少の頃、時代劇を観て『なんでうちのマークがテレビに映っているんだろう?』と不思議で。歴史を学んでいくうちに同じ家紋だと知り、どこか親近感がありました。こういった大作で彼を演じさせていただくのは名誉なこと。このうえない舞台を用意してもらいました」と真摯に語った。また信長は享年49で生涯を終えたと言われている。劇中には本能寺の変のシーンもあり、現在49歳の木村は「感慨深いところがありました」と振り返った。
綾瀬は「2人の生き様や人生の描かれ方がとても素晴らしくて、脚本を読み終わったときに心を持っていかれました」とアピール。そして濃姫について「信長と夫婦になってからは女性らしい部分も出てきたりしますが、その中でも、人を見る目も世の中を見る目も勇ましい。かっこいい女性だなと思います」と魅力を口にする。
3年ほど前に東映からオファーを受けた古沢は「信長と濃姫の夫婦の物語にすれば、みんながイメージするカリスマの信長と、その裏側の“人間”の信長を描けるのではないかと。そこにモチベーションを持って書かせていただきました」と述懐。大友は「30年近く監督をやっていますけど、初稿で『撮りたい』と思った作品は初めてだとプロデューサーに電話したぐらい。創作の余白を与えながらも一気に読めるエンタテインメントで、入り口は広いけど、深いところにたどり着く脚本になっている」と手放しで褒めたたえた。
撮影について話が及ぶと、「楽しかったですよね。アクションシーンもありますけど、やっぱり運動神経もよくいらして」とほほえむ綾瀬に、木村は「それはそっちでしょ」と即座にツッコミ。木村は「皆さんご存知だと思いますけど、(綾瀬は)動いたら半端じゃないので。『これは難しいんじゃない?』っていう監督からの要望にも笑って応える役者」と続け、「2人が一緒じゃないシーンでも、濃姫の存在を自分の中に大きく置いて撮影できた。綾瀬さんで助かりました」と感謝する。綾瀬も「何をやっても絶対に受け止めてくれるという安心感のもと演じられました」と返し、互いの信頼感をのぞかせた。
てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u
古沢「信長と濃姫の夫婦の物語にすれば、みんながイメージするカリスマの信長と、その裏側の“人間”の信長を描けるのではないかと。そこにモチベーションを持って書かせていただきました」/木村拓哉と綾瀬はるか、信長&濃姫の愛の物語で夫婦役!総事業費20億円の歴史大作 https://t.co/onHWP8vJcB