伊澤彩織、批評家大賞新人賞を手に感無量「スポットライトの当たる日が来るとは」

第31回日本映画批評家大賞の授賞式が本日5月30日、東京・東京国際フォーラムにて開催され、新人男優賞（南俊子賞）の佐藤緋美、新人女優賞（小森和子賞）の伊澤彩織、石川瑠華、伊藤万理華、西川洋子らが登壇。Fukaseはビデオメッセージを寄せた。

日本映画批評家大賞は、映画界を励ます目的のもと現役の映画批評家たちが選定する映画賞。小松菜奈の主演作「ムーンライト・シャドウ」で、佐藤は宮沢氷魚扮する兄の等と自身の恋人を同時に亡くしてしまう柊を演じた。佐藤は「まだ芝居をはじめて5年目ですが、このような賞をいただけて光栄です。どんどん自分を出していこうと思います。うれしいです」とスピーチする。役作りについて聞かれると「自由に、その場の雰囲気と感情でそのままに演じました。特に役作りはしていません」とコメントした。父である俳優の浅野忠信には、同賞の受賞をまだ報告していないと言う。

また「キャラクター」での演技が評価されたFukaseは「素敵な賞をいただきありがとうございます！」と喜びをあらわに。本作では猟奇的な殺人鬼役を演じており、 Fukaseは「殺人鬼の役を1度やっただけなのに、殺人鬼役のイメージが付き過ぎております（笑）。ほかの役をいただけたらそのイメージが緩和されるのではないかと思っていますので、その際はよろしくお願いします！」と思いを述べた。

殺し屋コンビを描いた青春アクションコメディ「ベイビーわるきゅーれ」で同賞を手にした伊澤。トロフィーを手にして「素敵で光栄な賞をいただき、幸せ者だなと思います。これまでスタントパフォーマーとして映画に関わってきた人間なので、まさかこうしてスポットライトの当たる日が来るとは思っていませんでした。本当に幸せです」と感無量の表情を浮かべる。続けて、「これからもメイドインジャパンのかっこいいアクションシーンの一部になれるよう、日々鍛錬していきたいと思います」と決意を新たにした。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、1年の延期を経て2021年6月に公開された「猿楽町で会いましょう」。同作に出演した石川は「素敵な賞をいただけてとてもうれしく思います」と述べ、「映画館で観てほしい映画を宣伝していいのか悩んでいるうちに上映が終わってしまいました。とても悔しい思いをしましたが、賞をいただけたことで今後も映画を届けられるようにがんばってもいいのかなと力をもらいました」と気を引き締めた。

伊藤が主演を務めた「サマーフィルムにのって」は、時代劇オタクの女子高生が仲間を巻き込み映画制作に奮闘するさまを描いた青春SF映画だ。伊藤は「素敵な賞をありがとうございます。たくさんの方に観てもらえる作品になったことが何よりうれしいです」と笑みをこぼす。また映画制作に情熱を向ける主人公・ハダシを演じた伊藤は「私もモノづくりに対する情熱はハダシに負けないつもり。この映画に背中を押された気がします。これからもモノづくりをがんばっていきたいと思います！」と述べた。

「いとみち」の演技で受賞した西川は「おばんでございました！ 舞い上がっています。正直、こんなすごいものをいただけるとは思っていませんでした」と頬をゆるませる。そして全編オール青森ロケで撮影が行われた本作を「本当に大変だった！ 心臓が爆発するかと思った。完成した映画を観て、自分が出ているのですが涙が出ました」と振り返った。

式には、新人監督賞を受賞した「シノノメ色の週末」の穐山茉由、「ベイビーわるきゅーれ」の阪元裕吾、「海辺の彼女たち」の藤元明緒も出席。映画ナタリーでは、同授賞式の様子を引き続きレポートする。