坂東龍汰と松永拓野、“ト書き3行”だった「フタリノセカイ」カフェシーン回想

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フタリノセカイ」の舞台挨拶が1月20日に東京・新宿シネマカリテで行われ、キャストの坂東龍汰松永拓野、監督の飯塚花笑が登壇した。

「フタリノセカイ」舞台挨拶の様子。左から飯塚花笑、坂東龍汰、松永拓野。

「フタリノセカイ」舞台挨拶の様子。左から飯塚花笑、坂東龍汰、松永拓野。

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「フタリノセカイ」はトランスジェンダーとして葛藤する真也と、その恋人ユイが織りなす10年間を描くラブストーリー。自身の性と向き合い自分らしく生きる真也に坂東、真也を支えていくことを選択するユイに片山友希が扮し、真也の友人・添田俊平を松永が演じた。

左から松永拓野演じる俊平、坂東龍汰演じる真也。

左から松永拓野演じる俊平、坂東龍汰演じる真也。[拡大]

本作で初共演を果たした坂東と松永。約2年半前に行われた撮影について松永が「泊まっていた高崎のホテルで、深夜までいろいろなことを話しましたね」と述べると、坂東は「僕の人生の悩みとか、とにかくいろんなことを聞いてもらって。(松永を)優しいお兄ちゃんだと思っていました」と振り返る。また松永は「初日の撮影が終わったら、龍汰のほうから話しかけてくれて、部屋に付いてきたり……ね」と笑いつつ、「だからこそ映画の中でも真也と俊平の関係性が築けたのかなっていうのはすごくあると思う。よかったよ」と一礼。対する坂東も、松永に感謝を伝えた。

続いて話題は、SNSでも反響が大きいというユイ、真也、俊平がカフェに集まるシーンについて展開。脚本には“カフェのシーンで、俊平が大泣きする”といったト書きが3行あっただけで、そのほかは3人が感じるまま演じたそう。松永は「監督とも事前に打ち合わせはしていたけれど、現場に行ってやってみないとわからないというのはずっと不安でした。そのシーンがずっと気がかりで、それが終わるまではお酒が飲めないぐらいで……」「一発で撮り終わって、監督も撮影スタッフも泣いてくださったんですけど、実際に上映されてお客さんに観てもらうまで不安でした」と率直な思いを吐露。坂東も「本当に一発で終わったからこそ不安で、僕は何を話したかも正直覚えてなかったです。みんなの表情は覚えているけど、どういうシーンになっているかは実際に映画館で観るまでわからない、ということでけっこう不安だったんです」と続け、公開日を迎えたことでやっと安心できたと語った。

また坂東は「(このシーンは)カメラの切り返しのテンポがすごい素敵で、松永くんと僕と片山さん2人との切り返しがすごく美しいなと。監督がこのシーンを使いたくなるのもわかるなと思いました」と称賛する。しかし飯塚は撮り終わった時点では劇中で使うかどうか迷っていたと明かし「ほかのシーンのトーンと違うので、最後まで悩みました。でも何度も編集で繰り返し観ていく中で、最終的にあの3人のシーンがこの映画に必要だと判断しました」と述懐。最後の挨拶では「この映画は企画開発から含めたら5、6年前からずっと取り組んでた企画で、ようやく我が子が歩き始めたみたいな、そんな感動の中に今おります」と思いを口にし、イベントを締めた。

「フタリノセカイ」は新宿シネマカリテほか全国で順次公開中。

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(c)2021 フタリノセカイ製作委員会

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