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東直子による歌集「春原さんのリコーダー」に収められた表題歌、「転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー」を映画化した本作。主人公は美術館での仕事を辞めてカフェでアルバイトを始め、新たなアパートの部屋に引っ越した沙知だ。劇中では新生活を始めたものの、もう会うことの叶わないパートナーの面影を心に残した彼女の姿が描かれる。
本作は第26回釜山国際映画祭におけるアジア映画の窓部門に正式出品されることが決定。「その仕事を側で見ているだけで私がしあわせな気持ちになる人たちに相談することからこの企画は始まりました」とつづった杉田は、「私の役割は一番の特等席でみなさんの仕事をたのしく見ることです。このような贅沢なことが他にあるだろうかと思います。そして私はいつも、ほらみなさんすごいでしょうと周りの人たちに言って回りたい気持ちになるのです。ですから釜山国際映画祭というとても光栄な場所でこの映画が上映されることも本当にうれしいです」と述べた。さらに本作は第69回サンセバスチャン国際映画祭のサバルテギ・タバカレラ部門、第59回ニューヨーク映画祭のカレンツ部門への正式出品も決定している。
「春原さんのうた」は、2022年1月に東京・ポレポレ東中野ほかで公開。第32回マルセイユ国際映画祭のインターナショナルコンペティション部門ではグランプリを含む3冠に輝いた。
杉田協士 コメント
ちょうど昨年の今ごろにこの映画を撮影していました。どこかでいつか上映される日が来ることを願っていました。いまはその未来にいます。私自身がどうして映画作りを続けているのかを改めて考えることがあります。私はただファンなのです。「春原さんのうた」という映画を作ることを口実にして、原作の東直子さんや撮影の飯岡幸子さん、主演の荒木知佳さんや新部聖子さんをはじめとして、その仕事を側で見ているだけで私がしあわせな気持ちになる人たちに相談することからこの企画は始まりました。私の役割は一番の特等席でみなさんの仕事をたのしく見ることです。このような贅沢なことが他にあるだろうかと思います。そして私はいつも、ほらみなさんすごいでしょうと周りの人たちに言って回りたい気持ちになるのです。ですから釜山国際映画祭というとても光栄な場所でこの映画が上映されることも本当にうれしいです。合わせて今回は国内版ポスターもお披露目できることになりました。私はいつも鈴木理絵さんの写真にも篠田直樹さんのデザインにも感動します。そして今回の題字は書道家でもある荒木さんが特別に書いてくれました。世界一のポスターです。「春原さんのうた」がこれからたくさんの人たちに出会っていけるように私もできる限りのことをつづけていきます。
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「春原さんのうた」監督の杉田協士よりコメント到着、釜山国際映画祭へ正式出品決定(コメントあり)
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