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それぞれ心に傷を持つ日本人と韓国人の家族がソウルで出会い、不思議な旅を繰り広げるさまを描く本作。妻を病気で亡くしたシングルファーザー・青木剛を池松、ソウルでその日暮らしの生活を送る剛の兄・透をオダギリが演じた。撮影はオール韓国ロケで行われている。
韓国でのロケハンに同行したという池松は「早い段階から石井さんに話を共有してもらって、とにかく脚本を気に入りました。自分が映画のためにやれることは全部やりたいと思っていたんです」と述懐。「僕が韓国に行ったときにちょうど石井さんやスタッフもロケハンでいらっしゃったので1週間一緒に回りましたが、ほとんど決まりませんでした(笑)」と振り返る。
一方、韓国に半年滞在したという石井は「コロナでどんどんキャンセルされていった時期で、池松くんが来たのは一番難しいときでした」と明かす。本作を「過去最大級に大変だった作品」と表現し、「トラブルも毎日のように起こりましたが、それを乗り越えるたびに優しくなれた。自分が今まで持っていたくだらない執着を捨てられて、すがすがしい気分になっていきました」と自身の成長を語った。
オダギリはオファーを受ける前から「企画の話は漏れ聞こえていた」という。「オファーをもらって脚本を読ませていただいたらとても面白かった。何より石井さんがドラマ『おかしの家』を演出されたときに、同じように天使が出てくるエピソードがあって、それがすごく好きだったんです。また“天使物”をやれることのうれしさがありました」と顔をほころばせる。
コロナが猛威を振るう前は、夜な夜な宴会が繰り広げられていたそう。共演のキム・ミンジェがかなりの酒飲みだと話した池松は「僕の撮影がどれだけ遅くなろうがミンジェさんは毎晩待っていて『壮亮、1杯やろうぜ』と。でも次の日も現場が早いから嫌で、『日本の俳優は真面目だから、次の日が早いとお酒を飲んだりしないんだ』と言ったんです」と断り文句を明かす。しかし「何日か後にオダギリさんが合流してからは毎晩飲みに行くようになったので、僕の嘘はバレましたね」と結局酒席を楽しんだことを伝えた。
最後に池松は「この映画があらゆる困難を経て、国と国との関係を超えて結実し、今日を迎えられたことは大きな奇跡だと感じています」と感慨深そうに言い、「当初一緒の予定だったクルーが抜けたりもしましたが、最終的には志の高い、日本の文化に影響を受けたという方々が参加してくれました。尽力してくれたスタッフ、キャストに心から感謝しています」と述べイベントを締めた。
「アジアの天使」は全国公開中。
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池松壮亮が「アジアの天使」制作陣に感謝、オダギリジョーは“天使物”への参加に喜ぶ
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