「靴ひも」ヤコブ・ゴールドヴァッサーが父と発達障害の息子を描いた理由とは

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イスラエル映画「靴ひも」の試写会イベントが本日9月29日に東京・映画美学校試写室にて行われ、監督のヤコブ・ゴールドヴァッサーがオンラインで参加。昭和大学医学部精神医学講座教授の岩波明とイスラエル大使館の文化科学担当官のアリエ・ロゼンもゲストとして登壇した。

「靴ひも」ポスタービジュアル

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本作は母が突然、死んでしまったことにより、約30年ぶりに一緒に暮らすことになった父ルーベンと息子ガディの関係を描く物語。一度は家族を捨てた父と発達障害のある息子が、悪戦苦闘しながらも本当の親子関係を築いていくさまがつづられる。ガディをネボ・キムヒ、末期の腎不全と診断されたルーベンをドヴ・グリックマンが演じた。

「靴ひも」試写会イベントにて、岩波明(左)とアリエ・ロゼン(右)。

「靴ひも」試写会イベントにて、岩波明(左)とアリエ・ロゼン(右)。[拡大]

「当初はこの作品を作りたくなかったんです」と切り出したゴールドヴァッサーは「私の息子は特別な支援が必要で、生まれたときから問題を抱えていました。私は映画を作るうえで、自分たちの問題を映画のテーマにしないと決めたんです。だから、12年ほど前に友人から映画化の話を持ちかけられたときも、ノーと答えました」と回想。「しかしあるとき、支援を必要とする子供の父親として、奇妙だと思われがちな彼らのイメージを改善する責務があると感じたんです。だからこの作品を作ろうと決意しました」と説明した。

「靴ひも」

「靴ひも」[拡大]

ガディを描くにあたり、自身の息子を参考にしたというゴールドヴァッサー。「すぐに女性を口説いたりするユーモアや、メガネを掛けたままシャワーに入るのは息子の特徴から拝借しましたね(笑)」と裏話を明かす。岩波は「発達障害の方が食べ物にこだわるシーンなど、ディテールが丁寧に描かれているのが印象的でした。困難な状況を家族や友人らが協力して乗り越えていく姿に感動しましたね」とコメント。またロゼンは「美しく、そして個人的な物語だと感じました。娯楽を超えて対話を生む力のある映画です」と述べ、「障害を抱えて生きる人の生活をいかに向上させることができるか? 『靴ひも』のような作品が人と人を結び付け、解決策をもたらすかもしれません」と続ける。

最後にゴールドヴァッサーは「これは父と子のラブストーリーです。作品の中にあふれる愛情を注ぎました」と思い入れたっぷりに語り、「このようなテーマを映画で扱うときには、息苦しくならないようユーモアが必要。深刻なテーマと娯楽を同時に成立させるのは難しいことですが、この作品ではそれができたと思っています。コロナで大変なときですが、休暇を過ごすような気持ちでこの作品を観ていただければ」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。

「靴ひも」は10月17日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次ロードショー。

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(c)Transfax Film Productions

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イスラエル大使館 経済部 @israeltradejp

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