「
阪神・淡路大震災で一人娘のれいこを亡くした夫婦・伊智子と太助の23年間を描く本作。劇中では震災後に離婚しそれぞれの生活を始めた2人の葛藤と絆がつづられる。関西演劇界で活躍する武田暁が伊智子、河屋秀俊が太助を演じた。
いまおかは「去年の12月にお金がないので有料試写をしたんです。それを城定監督が観てくれて、帰り際に『よかったっす』と言って帰って行ったんで、うれしくてね」と笑顔で回想。それを受けた城定は「いや、今年一番です!ぐらいには言いましたよ」と返し、「もっといろんなところで観てほしい映画ですね。連日満員と聞いているのでうれしいなと思ってます」と喜びを伝える。本作の完成前から鑑賞するのを楽しみにしていたという城定は「めちゃくちゃ期待してましたね。いまおかファンですから。普通の客を装って試写も速攻で予約しました。2000円なんで、普通に映画観るより高いんですけどね(笑)」と思い返した。
「いまおかさんがやればなんでもありだなと思いますね。ちょっとリアリティがなくても」とたたえる城定。守屋が「『れいこいるか』は悪いところなかったですか? 例えばイルカの人形で叩くところとか?」と尋ねると、城定は「そのあたりずっと泣いてたんですよね(笑)。実際に子供を持つ身なので」と打ち明け、「いまおかさんが突いてくるツボって常にハマるんですよ。レジェンド・ピクチャーズのエロVシネでも泣いちゃうぐらいなんで(笑)」と述懐した。対するいまおかは城定について「身近にいる天才」と評し、「けっこうパクったりしてますよ(笑)」と暴露。「お兄ちゃんと妹っていう設定のVシネをやらなきゃいけないときは、レンタルビデオ屋の城定くんの棚に行って参考にしたりね。それで、いざ撮るってなったときにカメラマンが同じ田宮(健彦)さんでさ。このシーン撮ったことあるなって首ひねってた」と振り返り、会場の笑いを誘った。
イベント中盤には守屋の監督作「すずしい木陰」、城定の監督作「アルプススタンドのはしの方」についていまおかが語る場面も。「2作品とも余白があるんだよね。『すずしい木陰』は映画という名の瞑想状態に陥る。『アルプススタンド』なんて、野球の試合は映っていないのに、『俺、試合観てるんじゃね?』って思った。映ってないのに観てる気になっちゃう。豊かだよね。余白って大事!」と賛辞を贈る。また「2日で映画を撮ったり、エロもやるし、『アルプススタンド』みたいな青春映画もやる。違いってあるの?」と興味津々のいまおかに、城定は「撮り方は身に着いているものですけど、環境が変わると気を使うところも変わりますよね。仕事相手が未成年だったりしますから。警戒されたり(笑)」と返答。そして、いまおかが観客に向けて「『アルプススタンドのはしの方』は傑作ですから、絶対に観たほうがいいですよ!」と力説すると、守屋も「本当に! 『れいこいるか』も泣けますけど、それとは別にスカッと気持ちよく泣けます」と太鼓判を押した。
「自主映画なんで俺ともう1人で配給するつもりだったんだけど、たまたま試写を観てくれたブロードウェイの人が『やらせてください』と言ってくれてね」と言ういまおか。「いろんな人に助けてもらって成立したなと思ってます。キネ旬でも褒めすぎだよみたいな特集をやってくれて」と周囲に感謝を伝える。最後にいまおかが「昔は映画を観ると人生変わるかもと思ってたのよ。だから観るのが怖くてね」と吐露すると、すかさず城定は「『れいこいるか』は変わると思いますよ。いまおかさんの作品は変わる」と話し、「本当に傑作です! 全回満席目指しましょう。もっとたくさんの劇場に広がっていくといいなと思います」と期待を込めた。
朝日映劇が製作、佐藤稔が脚本を担当した「れいこいるか」は、全国で公開中。今後のトークショーには
朝日映劇 @asahi_eigeki
昨夜のトークイベントをレポしていただきました!ありがとうございます! https://t.co/PsLAxrAyUr