城定秀夫の新作は「みんなで作った映画」、小野莉奈はハイヒールに苦戦

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アルプススタンドのはしの方」のオンライン試写会と先行上映会が7月4日に開催され、東京・浅草九劇で行われた舞台挨拶にキャストの小野莉奈平井亜門西本まりん中村守里黒木ひかり目次立樹、脚本を担当した奥村徹也、監督の城定秀夫が出席した。

前列左から小野莉奈、西本まりん、中村守里、黒木ひかり。後列左から奥村徹也、目次立樹、平井亜門、城定秀夫。

前列左から小野莉奈、西本まりん、中村守里、黒木ひかり。後列左から奥村徹也、目次立樹、平井亜門、城定秀夫。

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本作は夏の甲子園に出場している野球部の応援に来た高校生4人が、アルプススタンドで繰り広げる会話を描く青春物語。2017年に兵庫県立東播磨高等学校が第63回全国高等学校演劇大会で上演し、最優秀賞を受賞した舞台が映画化された。

「アルプススタンドのはしの方」舞台挨拶の様子。

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舞台版は、同年度内に上演された演劇から選出される浅草ニューフェイス賞を受賞。イベントでは小野が代表して表彰状を受け取った。小野は「ラストシーンでハイヒールをはいたのですが、うまく歩けなくて……」と映画の撮影時を回想する。そんな彼女に「靴を変えてたでしょ」とツッコミを入れた西本は、浅草九劇で舞台版が上演されたことに触れて「久しぶりに(今日同じ場所に)来て、私たちのアルプススタンドがない!って思っちゃいました。映画でも青春を感じてもらえたうれしいです」とコメント。中村は「目次さんの演じた厚木先生のシーンが好きです。いい意味でうるさくって」と印象的なシーンを挙げ、黒木は「夏設定の青春映画なのですが、吹奏楽のシーンは撮影が冬でめちゃめちゃ寒かった」と懐かしんだ。

そして平井は「今は世の中が嫌なニュースにあふれていますが、クスッと笑ってほっこりできる映画だと思うので、映画を観て癒されてください」と、目次は「何回観ても楽しめるので、2回、3回と観てほしいです」と本作をアピール。城定は「僕としてはみんなで作った映画だと思っていて、ここにいる人たちが選手で僕はそんなにやることは少なかったと思います」とキャストたちにねぎらいの言葉を掛け、「あとは観客の皆さんに応援してもらって成功すればいいなと思っています。よろしくお願いします」とメッセージを送った。

なお本作の高校演劇応援オリジナルチャリティTシャツが、Webサイト・モクカで販売決定。売上から制作費を差し引いた額が全国高等学校演劇協議会に寄付される。さらに映画の公開に先駆けて、本広克行松居大悟らからコメントが到着した。全文は下記に掲載する。

「アルプススタンドのはしの方」は、7月24日より東京・新宿シネマカリテ、シネクイント、イオンシネマ板橋、UPLINK吉祥寺ほか全国で順次公開される。

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「アルプススタンドのはしの方」製作委員会 コメント

新型コロナウイルス感染症の影響で、高校野球の春夏の全国大会が中止になり、また、高校演劇の舞台もオンライン開催になるなど、未曾有の事態となっています。映画「アルプススタンドのはしの方」は紛れもなく2017年に高校演劇で全国大会で優勝した作品が原作であり、「しょうがない」と演劇の大会を諦めた演劇部のやるせない表情から始まり、その気持ちが高校野球を応援するうちに前向きに変わっていく物語です。この映画のように1人でも多くの高校生や運営サイドの「しょうがない」という気持ちが少しでも前向きに変わりますよう、そして今後の高校演劇が無事開催されますよう、そんな願いを込めて、オリジナルチャリティーTシャツを販売します。

籔博晶(映画「アルプススタンドのはしの方」原作者)コメント

高校演劇が好きです。「Is」も「フートボールの時間」も「ケチャップ・オブ・ザ・デッド」も全部好きです。
今年の全国大会出場の「とりでのむこう」も本当に大好きな作品です。見た人全員に勇気をくれる作品で、近畿大会で見たとき「ああ、これは全国に行くやつだ」と確信しました。
だからこそ、全国大会が予定通り行われないと知ったときはショックでした。
全国大会だけでなく、この半年、地域の発表会なども含め高校演劇のイベントはほとんど中止になっています。
私も学生時代にインフルエンザや災害のため公演中止を経験しましたが、今の高校生たちが抱える無念は計り知れません。
少しでも早く、高校生たちが安心して作品を発表できる場が戻って来るように。「アルプススタンドのはしの方」がその一助となれるなら、一人の高校演劇ファンとしてこんなに嬉しいことはありません。

「アルプススタンドのはしの方」応援コメント

柴幸男(劇作家・演出家・ままごと主宰)

応援ってなんなんだろう。どうして人は人を応援するのだろう。
その答えはわからないけれど、あの日、高校演劇の審査員だった僕は、舞台上の4人と一緒に応援していた。
僕だけじゃなくて、観客席が、劇場全体が、4人と一緒に見えないグラウンドを応援していた。
そして今また映画の中の4人を応援している。この映画を見たらあの4人を応援したくなると思う。
全国の劇場がまたひとつになって応援している、そんな様子を夢想する。その応援がまたきっとどこかに届く、そう夢想する。

中屋敷法仁(演出家・劇作家・劇団「柿喰う客」代表)

となりの「青春」は青く見える! マジで!
自分以外のヤツらは全員、うらめしく、うとましく、うらやましい! そんな冴えない思いの中に本当の青春は宿るのだ!
映画やドラマになり得ない、切実すぎる青春の正体を描いた超快作! 心も体も熱くなりました!

本広克行(舞台演出・映画監督)

とても潔い映画だと思った。
映画は具象、舞台は抽象で表現する事が特徴だと考えていて、この映画は最後まで見せないで想像させて楽しませてくれる。自分が演出したならば登場人物たちが一同に注目する バッターの背中のカットは入れてしまったかもしれない 経験を積み過ぎると怖くなってしまうのだろう……鑑賞後、自分の青春時代は端の方だったのだと初めて気がついた。
だから潔さに憧れているのだろう。

松居大悟(映画監督・ゴジゲン主宰)

しょうがない。しょうがないしょうがないしょうがないって何回諦めてきただろう。
映画で呟かれるその言葉は、青春に振り向かれなかった自分には居心地がよくて。
それなのに。試合が進むにつれ「しょうがない」なんて言葉は情けなくなっていく。
今の高校球児たちが、試合ごと奪われて「しょうがない」なんて言うのだろうか。
あの頃の僕はアルプススタンドのはしにすら行けなかった、なんて言ってられない。
がんばれ!!!!

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