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疫病のうわさが広がり疑心暗鬼に陥る人々と、生きたままミイラと化しこの世を救う“即身仏”になろうとする春野賢一の姿を描く本作。もともと東京オリンピック開催の“裏”で公開すべく立ち上がった企画だった。新型コロナウイルスの影響により一時は白紙となったものの、豊田は7月24日の劇場公開に向けて外出自粛期間が終わると撮影を決行。6月下旬に撮影し、2日前に完成したばかりだという。
会場を見渡し、豊田は「映画館に映画を観に来ていただきありがとうございます」と深く感謝する。疫病退散というテーマを持つ本作の公開にあたり「このような事態になった中で作るとは思っていませんでした」と驚きを伝えた。主人公・関屋鉄平役の渋川は「不自由な世の中ですが、映画の中では自由。楽しんでもらえたら幸いです」、賢一役のマヒトは「不要不急のことはやっちゃいけないムードですが、今日ここに来ることは切実だったはず。そういう時間に自分も関われて幸せです」とそれぞれ思いを口にした。また尾形は「豊田さんのためになるのであるならなんでもしようと思って演じました」と豊田を労った。
「クボヅカ・ザ・ピーポーです」と挨拶してマヒトを戸惑わせた窪塚は「豊田さんの怒り、何か壊したいという気持ち」を感じていると話す。そして「俺は今何に怒っているのかと考えたら、それは今の空気。そんなに暗くなるのやめましょうよ、と。病は気からなんだから、そこを削ぐなよと感じていました。この瞬間、この時代にしかできないことをやっている表現者たち(の作品)です。『楽しんで』という言葉が合ってるかわからないけど、ぜひご覧ください」と主張した。
渋川らと同じく豊田作品の常連である松田も「こういう時代でいろいろ思うこともありますけど、呼んでもらえて本当にうれしかったし、元気をもらいました。芝居や自分に対しての気持ちを、豊田さんに破壊してもらえるような作品でした」と清々しくコメント。また長澤は「とても心のこもった作品です。私も心を込めて全力でがんばりました」、大西は「この時期にこの作品が世に出ることは意義があることだと思います」と語り、本作のテーマソング「日本列島やり直し音頭二〇二〇」を作った飯田は「爆音の中で楽しんでいただければ」と呼びかける。最後に豊田は改めて観客にお礼を言い、「この映画はコロナ禍で作った祈りのような映画。届くことを祈っています」と願いを込めて舞台挨拶を締めた。
「破壊の日」は京都・出町座と京都みなみ会館、東京・ユーロスペース、大阪のシネ・ヌーヴォ、宮城・フォーラム仙台、神奈川のシネマ・ジャック&ベティほか全国で順次公開。
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