母娘を題材にした「クシナ」監督・速水萌巴のインタビューコメントが到着

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大阪アジアン映画祭2018でJAPAN CUTS Awardを受賞した「クシナ」の監督・速水萌巴のインタビューコメントが到着した。

速水萌巴

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「クシナ」

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男子禁制の集落を舞台にした本作は、速水自身の体験に根ざした母と娘の物語。14歳の少女・奇稲(クシナ)を郁美カデール、28歳の母・鹿宮(カグウ)を廣田朋菜が演じた。また、男の後輩とともに閉ざされた共同体に足を踏み入れる人類学者・蒼子を稲本弥生が演じている。

速水萌巴

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速水は本作を着想したきっかけについて「人生を振り返ると母と向き合ったことが一番大変だったので、母と娘を題材にしようとしたんですけれど、アイデアがまとまらなかったので、シナハン(※台本を書くための取材)をすることにしました」と説明。「栃木県の湯西川温泉を歩いていたらふわっと映画のラストカットが浮かび、それを終着点に話を書いてみようと思ってできたのが『クシナ』です」と続ける。

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また、大阪アジアン映画祭2018から映画の公開まで2年以上を要したことについては「当時、私がインタビューで話した内容を母が読んでショックを受け、『育て方が悪かった? つらい思いをさせてたんだね』と言われたんです。私としてはすでに昇華したことであり、だからこそ作品として発表できたのですが、傷付いている母を見てもう苦しめたくないと思いました」と述懐。「今は私も作品との距離感をつかめるようになりましたし、母親にもこれは脚色された映画であることを理解してもらったので公開に踏み切りました」と語った。

撮影中に手応えを感じたタイミングを聞かれると、速水は「制作費の問題もあり、2日目にクライマックスを撮らなくてはいけなかったんですが、カグウ役の廣田朋菜さん、蒼子役の稲本弥生さん、クシナ役の郁美カデールさんのお芝居を見て現場で涙しました」と回答。「いろんな人に『やめたほうがいい』『アニメでやることだよね』『もっと街中で撮れるものにしたら?』と止められたこともあり『自分でやりとげないと』と、どこか意固地になっていました。この物語はインディペンデントでやる内容としては挑戦的だったと思います。このショットが撮れた瞬間に『ああ、自分の意思を貫いてよかったんだ』と思いました」と話した。

最後にメッセージを求められると、速水は「私にとって、公開を決定するのはすごく勇気の要ることでした。でも自分の身を削ってでも、物語ることの喜びや美しさが伝わればいいなと思っていますので、ぜひ劇場へ観に来てください」と呼びかけた。

「クシナ」は7月24日より東京・UPLINK渋谷ほか全国で順次公開。

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(c)ATELIER KUSHINA

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