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山崎賢人や松岡茉優が無観客の“劇場”に登場、ポン・ジュノから称賛され感激

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「劇場」完成記念イベントにて、左から又吉直樹、松岡茉優、山崎賢人、寛一郎、行定勲。

「劇場」完成記念イベントにて、左から又吉直樹、松岡茉優、山崎賢人、寛一郎、行定勲。

劇場」完成記念イベントが本日3月25日に東京・丸の内ピカデリーで行われ、キャストの山崎賢人松岡茉優寛一郎、監督の行定勲、原作者の又吉直樹が登壇した。

夢を追いかける劇作家の永田と、彼を献身的に支える恋人・沙希の日々をつづった本作。永田役の山崎は「原作を読んだとき絶対に永田をやりたいと思いました。永田の人間としての駄目さ、弱さ、愚かさに共感しながら演じました」と振り返る。沙希役の松岡も「台本を読んだら『言いたいなあ』というセリフがたくさんあって。誰かを思ったことがある人には必ず響く作品になっています」と明かした。

本日のイベントは新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため無観客で実施され、登壇者たちは客席に座り、報道陣が壇上から撮影するという通常と逆の形になった。キャスト陣は口々に「不思議な光景だね」と言い合い、又吉は「こういう演劇があったら面白そうですね」と創作意欲を膨らませる。

自身のお気に入りのシーンを聞かれると、山崎は永田と沙希が自転車を二人乗りするシーンを挙げた。山崎が自転車を漕ぎながら台本4ページにわたるセリフを話し、長回し撮影を行ったという同シーン。松岡は「1回も(セリフを)噛まなかったんですよ!」と山崎をたたえ、又吉は「あのシーンは感動しました。松岡さんもセリフがないのに体勢で感情が伝わるんです」と絶賛する。寛一郎は「沙希ちゃんと永田が2人で家にいるとき、ずっと永田がゲームやってるんですよ。(沙希に)梨を剥いてもらうんだけど、それも食べず『風呂入る』って。そのときのモノローグは男性が特に共感できると思います」と伝えた。

又吉と行定も2人が部屋で過ごすシーンが好きだと話す。行定は「あの8畳間がほとんど主役みたいだった」と言及し、「山崎が僕の想像を超えるいい顔をした場面は、風呂上がりに梨を剥いてもらった永田が『おー』って言いながら食うところ。あの『おー』の顔を演出で引き出すのは難しい。もともと山崎がちょっと人たらしで駄目な部分を持ってるんでしょうね」と見解を述べる。「無自覚にやったでしょ?」という問いに、山崎は「演じようとはしてなかったです」と返答。行定は「だよね。なるべく演じないことを永田のテーマにしていました」と演出意図を打ち明けた。

また本作が生涯忘れられない恋を描いた作品であることから、登壇者たちは“生涯忘れられない◯◯”についてトークすることに。山崎は大島へ家族旅行した際のエピソードを披露。「釣った魚を焼いてもらって食べたときの味は忘れられない。自分で釣った魚ってこんなにうまいんだなと。次はさばきたいです」と話して会場をほのぼのとさせる。松岡は10代の頃に受けたオーディションを述懐。「台本に、泣きながらうどんを食べるシーンがあったんです。泣きながら食べるごはんってちょっと味が違いますよね。そこを読んだとき、そのうどんの味が浮かんだんです。絶対演じたいって思ったけど落ちてしまいました」とほろ苦い思い出を回想し、「今回も『梨のあるところが一番安全です』というセリフを絶対言いたくて、うどんのシーンを思い出しました」と語った。

さらに行定からのサプライズとして、親交のある映画監督ポン・ジュノから本作についての感想コメントが届き、司会者によって代読された。「山崎賢人さんは不確かな天才から醸し出される不安感、不確かな天才に向けて沸き起こる憐憫、そのすべてを可能にしました」「松岡茉優さんは天使の安らぎと、天使からもたらされる息苦しさの両面を見事に表現していました」「まさに行定監督にしか作り得ない、長くも繊細な愛の物語であるという点で非常に印象深かったです」と数々の称賛が飛び出し、役者陣と又吉は「本当にうれしいです」と感激をあらわにする。

最後に山崎は「観終わったあとに大切な人を思い浮かべる映画です。生きていく中でうまくいかないことはたくさんあるけど、最後にはいい方向に向かっていくんじゃないかと思えるような作品です」と述べ、「やっぱりお客さんに観てもらって作品は成立するんだなと思います」と多くの観客に作品が届くことを願った。

(c)2020「劇場」製作委員会

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