「男はつらいよ」第32作のマドンナ竹下景子「心の中で寅さんは生き続けている」

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男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」4Kデジタル修復版の上映を記念したトークショーが、本日10月26日に東京・角川シネマ有楽町で開催され、キャストの竹下景子が登壇した。

竹下景子

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2019年に第1作公開から50周年を迎えた「男はつらいよ」シリーズ。現在角川シネマ有楽町では、同シリーズの4Kデジタルリマスター版15作をスクリーンにかける特集上映「男はつらいよ 4Kデジタル修復版上映」が開催されている。本日の第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」上映では、1983年公開の同作でマドンナを演じた竹下が上映後にトークを行った。

「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」

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本作への出演が決まった当時のことを、竹下は「お話をお伺いしたときは嘘だと思いました(笑)。自分がこんな名作シリーズに呼ばれるなんて」と振り返る。寺の出戻りの娘という設定について「どこか物悲しい風情を作らなくちゃいけないのかと思って『子犬を抱いてなでて……みたいなことをするのはどうでしょう』と話した記憶があります。緊張していた割には余計なことを言ったものだと思いますけれど。そうしたら(山田洋次)監督が『映画というのは、本が1ページ使って情景描写するところを、一瞬で表現できるものなんですよ。だからそういう小賢しいことは考えなくていいんです』と言われました」と役作りに関する秘話を明かした。

主演の渥美清との思い出を聞かれると、竹下は「皆さんがよくおっしゃる通り、素顔の渥美さんはとても物静かな方なんですね。でも待ち時間が長くなったときには、周りの空気を察してなのか、若い頃の話をしてくれることがよくありました」と語る。その例として「アフリカ旅行にいらしたときの思い出とか。『キリンが向こうのほうにいるのが、マサイの人にはよーく見えるんですよ』と渥美さんが話し始めると、思わず周りの人も耳をそば立てて引き込まれてしまうんですよね」と振り返った。

左からMCの渡辺俊雄、竹下景子。

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竹下は、第32作の中でも柴又駅での別れのシーンが印象深いそう。「私が演じた朋子さんは決して寅さんを振っているわけじゃないんです。寅さんは、女性の側からプッシュされると思わず引いてしまうのかもしれないですね」と話した。

またトークショーの終盤に竹下は、この日の上映を最後列で鑑賞していたと明かす。「考えてみればこの作品が封切られて以来、初めて映画館で観ました。なんともいいですね、映画館って。お茶の間で『寅さん』を観るのも楽しいけれど、映画館で『笑いがさざめいている』ってなんて素晴らしいんだろうと、改めて幸せな気分になりました」と感想を述べる。そして最後に竹下は、第50作となる新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が12月27日に公開されることに触れ「山田監督は『渥美さんさえいれば、いつでも続編が撮れる』とおっしゃっていました。でも、山田監督の中にも、映画を観た方の中にも、心の中で寅さんは生き続けていると思います。年末には新作が上映されるということですが、本当に楽しみにしています」と話した。

「男はつらいよ 4Kデジタル修復版上映」は11月7日まで開催中。愛知・ミッドランドスクエアシネマ、大阪・なんばパークスシネマでも11月22日からスタートする。

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