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中村文則のデビュー小説をもとにした本作では、村上演じる大学生の西川トオルが拳銃を拾い、次第にその魅力に取りつかれていくさまを描いた作品。司会を務めた奥山はまず「『銃』のような映画は最近全然作られなくなっちゃって。『野獣死すべし』『蘇える金狼』といった路線があの頃はあったんですけどね」と口火を切る。奥山が本作を白黒で作った理由を尋ねると、武は「銃のように普段の生活で見かけないものは色がついてるとリアリティが出てこないというか。白黒のほうが浮き立つんじゃないかなと思ったんですよ。そして昔ながらのフィルムノワールと言われているものを、どこかで一度白黒で撮りたいとも考えていて」と説明した。
またキャストの1人である村上の父親・村上淳について話が及ぶと、奥山は「どうでした? お父さんを撃ち殺した感じは」と質問。村上が「気持ちよかったですよ」とさわやかに答えると、客席から笑いが起こった。すると「実はあの役は萩原健一に頼もうかと言ってたんです」と奥山が裏話を始める。「ついに言いましたね」「急に言いましたね」と武と村上が驚く中、「ギリギリ迷いながら、最後はギャラ交渉で壊れましたね」と奥山が笑顔で暴露。「結果は村上淳さんで最高でしたよね」と奥山が2人を見ると、村上は「そうですね」と肯定。「ショーケンさんだと最初に聞いていたので、話がなくなったと聞いて僕もどよんと。代わりになる方はいないというときに、唯一父がそれを超えてきたんですよね」と吐露する。
その息子である村上を「役者として最高ですよ」とたたえた奥山に対し、武は現場でのエピソードを披露。「彼が夜の街で銃を構えて歩くだけのカットで、『さっきのよかったから次はこういうふうにしてやろうよ』と確認しに行ったら『俺、そんなことしてましたっけ』って言うんです。こうやろうと考えるのではなく、無意識。そういうときってとても素敵なんですよ」と当時を振り返っていた。
また、今作では役作りの一環でロケ地の家に住んでいたことを村上が明かす。「高島平に1週間くらい。こういう方法が絶対正しいというわけじゃないけど、今回は家の中のシーンが多かったのでこれしかないのかなと。窮地に立たされて選ばされたような感じです」と述べると、武は「朝、現場に行ってノックして『入っていい?』と聞くと、『ちょっと待ってください』って言われてました」と撮影を思い返していた。
「今後やりたいものは?」という客席からの質問に奥山は、「武さんと虹郎だと大きなバジェットは出てこないな……」と思案顔。村上が嬉々として「海外ロケやりたいですね! ハワイとか……」と話すと、奥山が「タイとか東南アジアの危険な場所がいい」とさえぎり、笑いを起こす一幕も。それを受けて、麻薬不法所持の罪でトルコ刑務所に投獄された男を描く「ミッドナイト・エクスプレス」を村上が例として挙げると、奥山は笑顔でうなずいていた。最後に「武監督と3人で、ひどい目に遭うような映画を作りましょうね」と笑い、村上も出演する新作「銃2020」の宣伝をしてトークショーは幕を閉じた。
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村上虹郎の映画作品
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しょこさん。 @tomytamtam
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