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角田光代の同名小説をもとにした本作は、一目惚れの相手マモルに一方通行の愛を捧げる主人公テルコと、2人を取り巻く人々を描くラブストーリー。テルコを岸井、マモルを成田凌が演じた。深川はテルコの友人、葉子役で出演。葉子に思いを寄せるナカハラを若葉竜也、マモルが恋するすみれを江口のりこが演じている。
4月に公開され、口コミでロングランとなった本作。岸井は「撮影していたときには、こんなことになるなんて思ってもみなかったです。でも公開してすぐに友達や親戚から『すごくよかった』と連絡があって。『私はあのキャラクターに近い』みたいな細かい感想が送られてきたので、作品のよさが伝わっているなとは思っていたんですけど」と話す。そして「冗談で今泉監督の『アイネクライネナハトムジーク』の公開まで上映されてるんじゃないかと言ってたら、現実になりました」と笑った。
一般客と一緒に劇場で本作を観た深川は「40代ぐらいの男性が1人で観に来られていたんですけど、その方がナカハラくんのコンビニのシーンで泣いてたんです」と述懐。「主に若い女性が共感されていると思っていたんですけど、そのとき、幅広い層の方に響く作品になったんだなと実感しました」と語った。今泉は「普段映画館に行かない人にまで映画が広がっていましたね。自分が登壇するイベントがなくても劇場にふらっと行ってたんですけど、映画が終わった瞬間、その場が感想を言い合う空間になっていたのがうれしかった」と述べる。
岸井はテルコと自身を比較し「あんなに猪突猛進はできないです。でも演じてみて、テルコになってしまう要素はあるかなと思いました。仕事を捨てて好きな人に会いに行ったりするから、大丈夫かなと思ってたけど、彼女の目線になってみると『好きだから行くよな』と。テルコ予備軍かもしれないですね」とコメント。深川は「私も仕事を投げ出してまで会いに行くということはないですけど、そこまでできるほど好きなものがあるってうらやましいです」と話す。
テルコ的、あるいは葉子的なエピソードが自身にあるかという質問に、深川は「劇中で葉子が、気になる存在の人に『短い髪が似合うんじゃないか』って言われて髪型を変えてましたけど、それに近いエピソードがあって。中学生のとき、気になっていた人がショートヘアが好きだということを聞きつけて、ヘアカタログの写真を撮って美容院に持っていったんです」と回想。岸井が「かわいい!」と感嘆するも、深川は「でもイメージとは全然違う男の子みたいな髪型になっちゃって、ショックで(笑)」と続ける。今泉が「その、気になっていた人は反応してくれたの?」と聞くと、深川は「そんなにしゃべる間柄の人じゃなかったので、ただ髪型が失敗したという」と答えて笑いを誘った。
トークでは、Blu-rayに収録されている特典映像の未公開シーンに関する話題も。ベッドシーンでテルコが眠ったあと、マモルが目を開けるというバージョンの存在について今泉が「知ってます?」と聞くと、岸井と深川は「知らなーい!」とびっくり。さらに岸井は「あいつ、起きてたのか! マモル、こっわ!」と笑った。
来場者との質疑応答コーナーでは、自身と役のギャップを埋めるためにやったことは何かという質問が。岸井は「マモちゃんを手の届きそうで届かない夢みたいにしたかったので、成田凌くんのどんな情報も入れないようにしてました。空き時間に音楽をかけたりしていたんですけど、成田くんのほうから私の好きな音楽が流れてきても話しかけなかったり(笑)」と回答。深川は「私は逆に、若葉くんとの距離を詰めるためになるべくコミュニケーションを取るようにしました。あとは葉子の過去について想像を膨らませたり。それから葉子はボルダリングがうまいという設定だったので、実際に通ってがんばりました」とはにかむ。これを受け、今泉は「若葉さんも深川さんのことめちゃくちゃ検索して調べまくったって言ってましたよ」と明かした。
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