樹木希林の遺作となったドイツ映画が8月公開、監督「美しさに満ちた体験」

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樹木希林の遺作にして海外デビュー作であるドイツ映画「Cherry Blossoms and Demons(英題)」が8月に公開される。

「Cherry Blossoms and Demons」

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「Cherry Blossoms and Demons」

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「アム・アイ・ビューティフル?」「フクシマ・モナムール」のドーリス・デリエが監督を務めた本作は、酒に溺れ人生を見失ったドイツ人男性のカールと、かつて彼の父と親交があった日本人女性ユウの旅を描いた作品。ゴロ・オイラーがカール、ダンサーの入月絢がユウを演じ、樹木は2人が訪れる旅館・茅ヶ崎館の女将に扮する。

本作の撮影は2018年4月にドイツでスタート。7月には神奈川に実在する茅ヶ崎館でロケを実施した。同館は1950年代に小津安二郎が滞在し脚本を書いた宿であり、近年では是枝裕和も宿泊。デリエは2016年に行われた「フクシマ・モナムール」のジャパンプレミア後に茅ヶ崎館に泊まり、かつて小津が滞在した部屋を案内してもらった際にインスピレーションを得たと明かしている。

樹木は小津の遺作である「秋刀魚の味」の撮影時、杉村春子の付き人として茅ヶ崎館を訪れており、「Cherry Blossoms and Demons」のため50年以上ぶりに同館に足を運んだ。今作には樹木が庭を眺めながら「ゴンドラの唄」を歌う場面が登場。これは、映画における彼女の最後の出演シーンとなった。

樹木について、デリエは「本作で、樹木希林の最後の演技を見ることは、哀しくもあり、同時にとても美しさに満ちた体験となりました。本作中での樹木希林は、心温かく、オープンで、非常に情に厚い存在であり、それゆえに観客は彼女にぐっと心をつかまれ、強烈な感動を感じるのです」とコメント。入月は「作中での存在感は勿論ですが、惜しくも遺作となってしまった事実、また日本へ紹介される大きな架け橋となって下さったこと、撮影中私達に残して下さったかけがえの無い体験や時間を思うと、感無量で言葉に詰まります」と述べている。

「Cherry Blossoms and Demons」は東京・TOHO シネマズシャンテほか全国で順次ロードショー。

ドーリス・デリエ コメント

このたび、日本での劇場公開が決まったと聞き、心の底からうれしく思っています。1984年以降、私は日本を30回以上訪れ、日本で5本の映画を撮影し、1年に1度は日本を訪れないとホームシックになるほど日本を愛しています。本作のような、日独の亡霊の物語を描きたいという思いは、私が長きにわたり幽霊や妖怪、怪談について学んできたことから生まれたものであり、同時に「雨月物語」や「修羅」といった日本映画の傑作の影響もあります。主演を務める入月絢は優れたダンサーでありながら演技も素晴らしく、彼女を発見できたことは大きな喜びでした。彼女の説得力に満ちたフレッシュで自然な魅力に、私は常に感動を覚えます。また、私は長年にわたり日本が誇る名女優・樹木希林の演技に魅了されてきました。「歩いても 歩いても」から始まる是枝裕和監督の作品群や、河瀬直美監督の「あん」などの彼女の演技がとても好きです。今回の役に関しては、彼女以外に考えられませんでしたので、彼女が今回の役を受けてくださったときには、深く深く光栄だと思いました。また本作で、樹木希林の最後の演技を見ることは、哀しくもあり、同時にとても美しさに満ちた体験となりました。本作中での樹木希林は、心温かく、オープンで、非常に情に厚い存在であり、それゆえに観客は彼女にぐっと心をつかまれ、強烈な感動を感じるのです。

入月絢 コメント

今夏「Cherry Blossoms and Demons」が日本で公開されるとのお知らせを受け、感謝と喜びの気持ちでいっぱいです。ドーリス監督のその創作的で情熱的な姿勢にはいつも多大な刺激を受けています。彼女の日本へ対する愛情や探究心は、一人の日本人として真摯に感謝するものに値します。そして今作中で忘れる事ができないのは言うまでもなく樹木希林さんの存在です。作中での存在感は勿論ですが、惜しくも遺作となってしまった事実、また日本へ紹介される大きな架け橋となって下さったこと、撮影中私達に残して下さったかけがえの無い体験や時間を思うと、感無量で言葉に詰まります。人への愛情、生きること、死ぬこと。人生という旅を深い深い部分で体験させられる映画です。是非多くの方にご覧頂ければと願っております。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記

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(c)Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor

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山下サトシ @_I_AM_I

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